【エランドール賞とは?】主催団体・目的・賞の意味を解説

目次

エランドール賞の正式な主催団体は、一般社団法人日本映画テレビプロデューサー協会です。映画やテレビの制作現場を熟知するプロデューサーたちが関わる団体であり、俳優だけでなく、映像作品を生み出す制作者の功績も評価しています。

賞の名称である「ELAN D'OR」は、フランス語に由来する「黄金の飛翔」という意味を持ちます。将来性のある才能がさらに大きく羽ばたくことを象徴する名称です。

主催する日本映画テレビプロデューサー協会とは?

エランドール賞とは

同協会は、日本の映画・テレビ業界の発展やプロデューサーの活動を支える団体です。

エランドール賞を主催する背景には、作品の評価を俳優個人の人気だけで終わらせず、企画や制作を担う人々の仕事も含めて顕彰する考え方があります。

そのため、一般的な映画賞やテレビ番組の人気投票とは性格が異なります。

例えば、俳優部門では出演作品での演技や将来性が評価され、プロデューサー部門では企画力や制作力、業界への貢献が評価されます。

俳優と制作者の双方に光を当てることが、エランドール賞の大きな特徴です。

エランドール賞はどのような人が受賞する?

主な対象は次のとおりです。

- 映画やテレビドラマで新鮮かつ優れた演技を披露した俳優
- その年に大きな飛躍を遂げ、今後の活躍が期待される俳優
- 映画やテレビの優れた企画・制作に携わったプロデューサー
- 映像文化の発展に顕著な貢献をした人物や団体
- 世界に発信する価値のある映画・ドラマ作品

単に出演本数が多いことや、話題性が高いことだけで受賞が決まる仕組みではありません。

公式の選考基準には、演技の質や俳優としての素質、将来性などが明記されています。

【2026年最新】第50回エランドール賞の受賞者と対象作品

2026年2月4日授賞式開催

2026年の第50回エランドール賞は、1月14日に受賞者が発表され、2月4日に東京都千代田区のイイノホールで授賞式が開催されました。

俳優部門では6人が選ばれています。

今回の顔ぶれで特徴的なのは、映画・ドラマの第一線で存在感を示してきた俳優から、若い世代を代表する俳優まで、幅広いキャリアの人物が選出されたことです。

2026年の俳優部門受賞者6人



岡山天音

映画『アンダーニンジャ』『#真相をお話しします』、ドラマ『ひらやすみ』『べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~』などに出演。作品ごとに異なる人物像を表現する演技が評価された。


夏帆

映画『BAUS 映画から船出した映画館』やドラマ『じゃあ、あんたが作ってみろよ』『ホットスポット』『塀の中の美容室』などで活躍。映画・テレビの両分野で存在感を示した。


佐藤二朗

映画『爆弾』『アンダーニンジャ』『女神降臨』などに出演。独特の存在感と幅広い演技力で知られ、今回の受賞者の中でもキャリアの幅広さが際立つ。


髙石あかり

映画『夏の砂の上』『ゴーストキラー』、ドラマ『ばけばけ』『御上先生』『アポロの歌』などに出演。次世代を担う俳優として注目された。


松村北斗(SixTONES)

映画『ファーストキス 1ST KISS』『秒速5センチメートル』、ドラマ『アンサンブル』などに出演。アイドル活動と俳優活動の双方でキャリアを築いている。


芳根京子

映画『君の顔では泣けない』『雪の花~ともに在りて~』、ドラマ『まどか26歳、研修医やってます!』『波うららかに、めおと日和』などで活躍した。



プロデューサー賞・奨励賞・特別賞の受賞者

第50回では俳優だけでなく、映画やテレビドラマを制作したプロデューサー、制作チームにも賞が贈られました。

賞の区分 受賞者 対象作品
プロデューサー賞・映画 村田千恵子 『国宝』
プロデューサー賞・テレビ 杉田彩佳、丸山いづみ 『じゃあ、あんたが作ってみろよ』
プロデューサー奨励賞・映画 岡田翔太 『爆弾』
プロデューサー奨励賞・テレビ 小田玲奈 『ホットスポット』
特別賞 『国宝』制作チーム 映画『国宝』

ここで注目したいのが、映画『国宝』の制作チームが特別賞を受賞したことです。

映画は主演俳優や監督だけで完成するものではありません。企画、撮影、演出、美術、編集など、多くのスタッフが力を合わせて一本の作品を作り上げます。

個人の功績だけでなく、制作チーム全体を表彰する特別賞には、映像作品を支える人々への評価という意味があります。

受賞者のスピーチから見える賞の意味

2026年2月4日の授賞式では、芳根京子が受賞の喜びと、作品に関わった人々への感謝を語りました。

オリコンの授賞式報道によると、芳根は前年の仕事を振り返り、一人では乗り越えられなかったことが多かったと話しています。

また、共演者としてお祝いに駆けつけた和久井映見も、芳根の仕事への誠実な姿勢を評価しました。

このエピソードからも、俳優の仕事は本人の演技だけで完結するものではなく、共演者やスタッフとの協力によって成立していることが伝わります。

【賞の種類を比較】プロデューサー賞・奨励賞・特別賞は何が違う?

エランドール賞には、俳優を対象とする賞だけでなく、映像作品の企画・制作に関わる人々や団体を対象とする賞があります。

それぞれの役割を理解すると、受賞者一覧をより正確に読み解けます。

1. エランドール賞

将来を嘱望される俳優に贈られる賞です。

対象となるのは、その年の映画やテレビドラマで新鮮かつ優秀な演技を披露し、俳優としての素質や魅力、将来性が期待される人物です。

原則として男女合わせて6人以内が選ばれます。

2. プロデューサー賞(田中・平田賞)

映画やテレビドラマの企画・制作で優れた実績を残したプロデューサーに贈られます。

俳優の演技を評価する賞とは異なり、作品を企画し、制作を実現させる側の功績に焦点を当てています。

映画とテレビから、それぞれ1人が選ばれる仕組みです。

3. プロデューサー奨励賞(田中・平田賞)

2005年に新設された賞です。

その年度に活躍したプロデューサーを顕彰するもので、将来の映像業界を担う制作者の活動にも目を向けています。

プロデューサー賞と同様、映画・テレビの制作現場が対象です。

4. 特別賞

その年に顕著な実績を残した人物や団体、映像文化の発展に貢献した人々を対象とします。

俳優やプロデューサーという特定の職種だけに限定されない点が特徴です。

2026年の『国宝』制作チームの受賞は、この賞の性格をよく表しています。

5. 東京ドラマアウォード

2026年10月に新たな動きが発表された賞です。

第51回エランドール賞から新設され、「世界に見せたい作品」「世界水準の作品」という考え方を引き継いだ作品表彰が行われる予定です。

TVガイド賞はエランドール賞と別物?

2026年の受賞者一覧には「エランドール賞・TVガイド賞」という表記も見られます。

これは、東京ニュース通信社が贈る副賞です。エランドール賞の俳優部門受賞者に対し、TVガイド賞として銀製の写真立てが贈呈されます。

つまり、TVガイド賞は主催団体が選ぶ独立した俳優賞というより、エランドール賞に付随する副賞として理解すると分かりやすいでしょう。

【選考基準と選考方法】エランドール賞は誰がどうやって決める?

エランドール賞の大きな特徴は、一般視聴者による人気投票ではなく、映画・テレビ業界の関係者による専門的な選考を経て受賞者が決まることです。

主催する日本映画テレビプロデューサー協会は、公式サイトで選考基準と決定までの流れを公開しています。

俳優部門の選考基準

公式に示されている主な条件は次の5点です。

1. 対象年度に日本国内で上映・放映された映画またはテレビドラマに出演していること。
2. 出演作品で新鮮かつ優秀な演技を示していること。
3. 俳優として優れた素質と魅力を持ち、将来性が期待されること。
4. 国籍は問わないこと。
5. 受賞者は原則として男女合わせて6人以内であること。

特に注目したいのは、単純な新人かどうかではなく、演技の質と将来性を重視している点です。

また、選考対象となる年度は、原則として12月1日から翌年11月30日までです。

例えば、2026年のエランドール賞では、2025年12月1日から2026年11月30日までという期間が基本的な対象年度となります。

選考は3段階で進む




第1段階:協会員による投票

公開された選考基準をもとに、候補者や参考作品について協会員が投票します。


第2段階:エランドール賞委員会による選出

協会員の投票結果を参考に、委員会が候補者を選びます。


第3段階:理事会による最終決定

委員会の答申を受けて検討し、理事会が最終的な受賞者を決定します。



この仕組みから分かるのは、投票結果だけで受賞者が自動的に決まるわけではないということです。

協会員の評価を出発点に、委員会と理事会による選考を重ねることで、専門的な視点を反映させています。

受賞を左右するのは知名度だけではない

映画やテレビの賞では、興行収入や視聴率、SNSでの話題性が注目されることがあります。

しかし、エランドール賞の公式基準では、俳優の演技、素質、魅力、将来性が重視されています。

そのため、必ずしも主演俳優だけが対象になるわけではありません。

作品の中で印象的な役柄を演じた俳優や、複数の作品で存在感を示した人物にも受賞の可能性があります。

また、プロデューサー賞では、作品の企画・制作を実現した人物の仕事が評価されます。

このように、表面的な人気だけでは捉えられない映像業界の実績を評価するところに、同賞の特色があります。

【1956年から2026年まで】エランドール賞の歴史と歴代受賞者

エランドール賞の歴史は、1956年に始まります。

当初は新人賞としてスタートしましたが、時代とともに表彰対象や賞の構成を広げてきました。

エランドール賞の主な歴史

年 主な出来事 意味・変化
1956年 新人賞として創設 第1回受賞者に石原裕次郎、高倉健ら
1962年 協会賞を設立 俳優以外の功績も評価
1968年 エランドール賞に名称変更 選考方法を見直し、委員会を常設化
1972年 特別賞を設立 顕著な功績を残した人物などを表彰
1994年 協会賞をプロデューサー賞に改称 制作者の功績を明確化
2001年 作品賞を設置 作品そのものを評価する部門を追加
2005年 プロデューサー奨励賞を新設 プロデューサーの活躍を幅広く顕彰
2012年 作品賞が終了 賞の構成を整理
2026年 第50回を開催 俳優部門から新人賞の名称を外す

ここで押さえておきたいのは、1956年の創設当初から現在と同じ賞の構成だったわけではないという点です。

当初は新人俳優を顕彰する賞でしたが、1960年代以降、協会賞や特別賞などが設けられ、プロデューサーや作品に関わる人々にも対象が広がりました。

歴代受賞者には日本映画界の名優が並ぶ


第1回・1956年
日本映画を代表する俳優。創設初期の受賞者。

第1回・1956年
数多くの映画で主演を務めた日本映画界の名優。

歴代受賞者
映画界を代表する俳優として公式の歴代紹介に掲載。

2016年
有村架純、土屋太鳳らとともに新人賞を受賞。


このほか、近年の歴代受賞者にも注目すべき俳優が数多くいます。

受賞年 主な受賞者
2025年 高橋文哉、河合優実、水上恒司、趣里、若葉竜也、松本若菜
2024年 磯村勇斗、今田美桜、眞栄田郷敦、小芝風花、目黒蓮、堀田真由
2023年 中川大志、芦田愛菜、松下洸平、岸井ゆきの、間宮祥太朗、奈緒
2022年 仲野太賀、江口のりこ、柳楽優弥、川口春奈、山田裕貴、広瀬アリス
2021年 賀来賢人、伊藤沙莉、北村匠海、上白石萌音、窪田正孝、浜辺美波、成田凌、森七菜

歴代受賞者を見ると、受賞後も映画やテレビドラマで長く活躍する俳優が少なくありません。

もちろん、受賞が将来の成功を保証するわけではありません。しかし、映像業界のプロデューサーたちから将来性を認められたという点で、俳優のキャリアを考えるうえで注目される実績の一つです。

2026年の名称変更はなぜ注目された?

2025年までは俳優部門が「エランドール新人賞」として扱われていました。

しかし、2026年の公式発表では、従来の新人賞という名称を外し、「エランドール賞」とすることが明記されました。

この変更には、今回の受賞者の顔ぶれも関係する興味深いポイントがあります。

例えば、2026年の受賞者には佐藤二朗が含まれています。すでに長い俳優キャリアを持つ人物が選ばれたことからも、単なるデビュー直後の新人を対象とする賞ではないことが分かります。

名称変更は、俳優のキャリア段階にかかわらず、その年の活躍と将来性を評価する方向性を示すものと受け止められます。

【2026年10月最新】東京ドラマアウォードとエランドール賞の関係

2026年のエランドール賞を語るうえで、もう一つ見逃せないのが東京ドラマアウォードとの関係です。

日本映画テレビプロデューサー協会は、2026年10月1日、第51回エランドール賞から新たに「東京ドラマアウォード」を設けると発表しました。

これは単に賞の名前を追加するだけの変更ではありません。

日本の映画やドラマを海外に発信するという考え方を、エランドール賞の表彰制度に取り込む動きです。

東京ドラマアウォードとは?

東京ドラマアウォードは、世界に発信する価値のある日本のドラマや映像作品を評価する考え方を掲げてきた賞です。

2025年の開催をもって従来の独立した表彰イベントを終え、2026年度以降はエランドール賞の中に、そのコンセプトを引き継ぐ新しい賞を設けることが発表されました。

つまり、両者は無関係な賞ではなく、映像作品の国際的な評価という理念を引き継ぐ関係にあります。

第51回から追加される新しい表彰の仕組み

2026年10月1日付の日本映画テレビプロデューサー協会の発表によると、新しい東京ドラマアウォードでは、原則として次の3部門が設けられます。

部門 表彰対象
映画部門 国内で製作・上映された映画
放送ドラマ部門 国内で製作・放送されたドラマ
配信映画・ドラマ部門 国内で製作・配信された映像作品

選考では、映画・放送・配信の各社から候補作品を推薦してもらい、各部門に分けて協会員が投票します。

その後、投票結果をもとに外部委員も参加する分科会が作品を選定し、理事会が最終決定します。

従来の俳優部門やプロデューサー部門とは異なり、こちらは作品そのものを対象にした表彰です。

2026年度の選考対象期間にも注目

新しい東京ドラマアウォードの2026年度の対象期間は、2025年7月1日から2026年11月30日までとされています。

2027年度からは、前年12月1日から当該年度11月30日までの期間に変更される予定です。

この変更によって、映画・放送・配信という異なる媒体の作品を横断的に評価する仕組みが整えられます。

視聴者にとっても、劇場公開作品だけでなく、テレビドラマや配信作品の価値を同じ表彰制度の中で知る機会が増えることになります。

【エランドール賞とは】に関するよくある質問(FAQ)

Q1:エランドール賞は新人俳優だけが受賞できる賞ですか?

A1:いいえ。2026年から俳優部門の名称から「新人賞」が外れました。出演作品での優れた演技や将来性が評価される賞であり、デビュー直後の俳優だけを対象とするものではありません。

Q2:エランドール賞は誰が選んでいるのですか?

A2:日本映画テレビプロデューサー協会の協会員による投票を参考に、エランドール賞委員会が候補者を選出し、最終的に理事会が受賞者を決定します。一般視聴者による人気投票ではありません。

Q3:2026年第50回エランドール賞の受賞者は誰ですか?

A3:岡山天音、夏帆、佐藤二朗、髙石あかり、松村北斗、芳根京子の6人です。プロデューサー賞には村田千恵子、杉田彩佳、丸山いづみが選ばれ、特別賞には映画『国宝』制作チームが選ばれました。

Q4:プロデューサー賞とプロデューサー奨励賞の違いは何ですか?

A4:プロデューサー賞は映画・テレビ分野で優れた企画・制作力を発揮した人物を顕彰する賞です。プロデューサー奨励賞は2005年に新設され、その年度に活躍したプロデューサーを対象としています。

Q5:東京ドラマアウォードはエランドール賞と統合されたのですか?

A5:はい。2025年に従来の独立した開催を終え、2026年度以降はエランドール賞の中に、コンセプトを引き継ぐ新しい東京ドラマアウォードが設けられることになりました。第51回から新設されます。

まとめ:エランドール賞は俳優と映像制作の未来を評価する賞

エランドール賞は、1956年に新人賞として始まり、70年にわたって日本の映画・テレビ業界とともに歩んできた表彰制度です。

2026年の第50回では、岡山天音、夏帆、佐藤二朗、髙石あかり、松村北斗、芳根京子の6人が俳優部門で受賞しました。さらに、映画『国宝』の制作チームが特別賞に選ばれ、プロデューサー部門でも映画・テレビ双方から受賞者が出ています。

今回の大きな変化は、俳優部門から「新人賞」の名称が外れたことです。これにより、デビュー年数や新人という肩書だけではなく、その年の活躍と俳優としての将来性を評価する賞としての性格が明確になりました。

さらに2026年10月には、第51回から東京ドラマアウォードを新設する方針も発表されています。

エランドール賞を理解するうえで押さえておきたいのは、次の3点です。

- 歴史: 1956年創設。石原裕次郎や高倉健など、日本映画界を代表する俳優を輩出してきた。
- 選考: 日本映画テレビプロデューサー協会の協会員投票、委員会による選出、理事会の決定という専門的な仕組みを採用している。
- 今後: 俳優・プロデューサー・制作チームに加え、世界に発信する価値のある作品も評価する方向へ広がっている。

単なる芸能人の人気ランキングではなく、俳優の演技、制作者の仕事、映像作品の価値を多角的に評価する賞。それがエランドール賞です。

第51回以降は、東京ドラマアウォードの新設によって、どのような作品が選ばれるのかにも注目が集まります。


主な情報源

- 一般社団法人日本映画テレビプロデューサー協会「エランドール賞」「選考基準・歴史・選考の流れ」
- 同協会「2026年エランドール賞受賞者」2026年1月14日発表
- 同協会「第51回エランドール賞における東京ドラマアウォードの表彰について」2026年10月1日発表
- ORICON NEWS「第50回エランドール賞」授賞式報道
- 東京ニュース通信社「2026年エランドール賞」授賞式発表資料