2026年版「はいつくばる」の意味とは?漢字・語源・使い方と類語を徹底解説
「はいつくばる」は、地面や床に身を低く伏せ、手足を使って這うように進む様子を表す日本語です。漢字では「這い蹲る」と書き、単に這って移動するだけでなく、うずくまる、平伏する、相手にかしこまるといった意味も持っています。「這う」「腹ばい」「四つん這い」と似ていますが、それぞれ表す姿勢や言葉のニュアンスには違いがあります。
2026年10月時点の国語辞典の記述を踏まえると、「はいつくばる」は身体の動きを描写する場合と、屈辱や服従を表現する場合の両方で使われる言葉です。漢字の読み方、語源と由来、歴史的な用例、日常会話での使い方、類語・言い換え・対義語まで整理します。
📌 【この記事の重要ポイントまとめ】
- 意味: 地面に身を低く伏せ、這うように進むこと。また、平伏してかしこまること。
- 漢字と読み方: 「這い蹲る」と書き、「はいつくばる」と読む。「這い蹲う(はいつくばう)」も同じ意味。
- 語源: 「這う」と「つくばる・つくばう」が組み合わさった言葉で、這う姿勢とうずくまる動作が結び付いている。
- 使い方: 身体の動作だけでなく、相手に服従する様子や、地面に近い低い姿勢で努力する様子にも使える。
- 類語との違い: 「腹ばい」は腹を地面につける姿勢、「四つん這い」は両手と両足を地面につける姿勢を指す。
【意味を解説】はいつくばるとは?地面に這いつくばる状態と本来の意味

「はいつくばる」は、動詞として使われる言葉です。
小学館の『デジタル大辞泉』では、同じ意味を持つ「這い蹲う」の語義として、四つん這いに伏すこと、這うようにしてかしこまること、平伏することが示されています。
つまり、単に地面を移動するだけでなく、身体を低くして伏せる姿勢や、相手に対して頭を低くする態度まで含む表現です。
1. 身体を地面に近づけて這う
最も基本的な意味は、手足を地面につけたり、腹を低くしたりして、這うように移動することです。
例えば、床の下に落ちた物を探すときや、低い場所を通り抜けるときなどに使います。
「地面に這いつくばる」という表現なら、地面に身体を近づけ、手足を使って移動したり、低い姿勢で何かを探したりする状況が想像できます。
必ずしも腹全体が地面についている必要はありません。両手と両膝をついた姿勢も、文脈によっては「這いつくばる」と表現できます。
2. 平伏して相手にかしこまる
もう一つの意味は、相手に対して身を低くし、平伏することです。
こちらは身体の動作に加えて、心理的な上下関係や服従のニュアンスを含みます。
例えば、次のような使い方です。
- 権力者に這いつくばって許しを請う。
- 彼は相手の前に這いつくばるようにして謝罪した。
- どれほど強い相手でも、簡単には這いつくばらない。
この場合、単に床に手をついているという意味ではありません。相手に頭が上がらない状態や、屈辱的な態度まで表現できます。
3. 比喩として苦労や粘り強さを表す
「這いつくばる」は、比喩的な表現にも使われます。
例えば、「地べたに這いつくばるように働く」という文章では、文字どおり地面に伏せるという意味ではなく、苦労を重ねながら必死に努力する様子が伝わります。
ただし、この比喩には、華やかさとは反対の、泥臭さや厳しい境遇という印象もあります。
そのため、努力を前向きに評価する文章では、前後の表現を工夫すると自然です。
【漢字と読み方】「這い蹲る」は何と読む?「這い蹲う」との違い
「這い蹲る」の正しい読み方は、はいつくばるです。
漢字を一文字ずつ見ると、それぞれの意味が分かりやすくなります。
這い蹲るを構成する漢字
這(はう)
「這」は、地面や床に身体をつけて進むことを表す漢字です。
日本漢字能力検定協会の『漢字ペディア』でも、訓読みとして「はう」が掲載され、意味には「はう」「はらばう」が挙げられています。
「這う」という動詞では、赤ちゃんが床を移動する様子や、ナメクジが地面を進む様子などを表現できます。
蹲(つくばる・うずくまる)
「蹲」は、身体を低くしてしゃがむ、うずくまるといった動作に関係する漢字です。
単独では「蹲る(うずくまる)」という読み方もありますが、「這い蹲る」では「つくばる」と読む点に注意が必要です。
この二つの漢字が組み合わさることで、這うように身を低くする姿勢が表現されています。
「這い蹲る」と「這い蹲う」は同じ意味?
どちらも正しい表記です。
| 表記 | 読み方 | 意味 |
|---|---|---|
| 這い蹲る | はいつくばる | 這うように身を低くする、平伏する |
| 這い蹲う | はいつくばう | 四つん這いに伏す、平伏する |
| 這う | はう | 手足や身体を地面につけて進む |
| 蹲る | うずくまる | 身体を丸めてしゃがみ込む |
『デジタル大辞泉』では「這い蹲る」を「這い蹲う」と同じ意味として扱っています。
また、『漢字ペディア』にも「這い蹲う」という見出しがあり、「はうようにひれふす」「平伏する」という意味が掲載されています。
一般的な文章では、読みやすさを優先して「はいつくばる」とひらがなで表記しても問題ありません。漢字表記は、文学的な文章や意味を強調したい場面に向いています。
【語源・由来】はいつくばるは「這う」と「つくばう」から生まれた言葉
「はいつくばる」の語源を理解するには、後半部分の「つくばる」に注目する必要があります。
『デジタル大辞泉』によると、「つくばう」は「突き這う」の意とされ、うずくまる、しゃがむ、平伏するといった意味を持っています。
つまり、「はいつくばる」は、這う動作と身体を低くする動作が重なった言葉として理解できます。
「這う」の意味と役割
「這う」は、身体を地面や床につけて進む動作を表す言葉です。
人間だけでなく、虫や蛇などが身体を地面に沿わせて進む場合にも使われます。
さらに、植物のつるが壁や地面に沿って伸びる様子も「這う」と表現します。
このように、「這う」は対象や動作の範囲が広い言葉です。
「つくばう」の意味と語源
「つくばう」は、しゃがむ、うずくまる、平伏するといった姿勢を表す言葉です。
『精選版 日本国語大辞典』にも「突き這う」の意が記されており、四つん這いになることや、平身低頭することなどが説明されています。
「這う」という動きと「つくばう」という低い姿勢が組み合わさることで、単なる移動よりも身体を低く伏せる印象が強くなります。
文献に見られる歴史的な用例
この言葉は、現代になって突然生まれたものではありません。
『精選版 日本国語大辞典』には、関連する表現の古い用例が記録されています。
| 時代・年代 | 表記 | 文献・記録 |
|---|---|---|
| 1275年 | つくばう | 『名語記』に平伏する意味の用例 |
| 1430年 | つくばう | 『申楽談儀』にうずくまる姿勢の用例 |
| 1477年 | 這い蹲う | 『史記抄』に「皆はいつくばうてすすむぞ」という用例 |
| 1843年 | 這い蹲る | 『夢酔独言』に「はゐつくばり」という用例 |
これらの記録から、少なくとも室町時代には「這い蹲う」という表現が使われていたことが分かります。
「這い蹲る」という表記についても、江戸時代の文献に用例が確認されています。
なお、辞書に記録された初出年代は、言葉が生まれた正確な年代を意味するものではありません。文献上で確認できる使用例の年代です。
【意味の違いを比較】這う・腹ばい・四つん這い・はいつくばるは何が違う?
「はいつくばる」と混同されやすい言葉に、「這う」「腹ばい」「四つん這い」があります。
いずれも地面に近い姿勢を連想させますが、注目するポイントが異なります。
1. 這うとはいつくばるの違い
「這う」は、身体を地面や床につけて移動する動作を広く表します。
一方、「這いつくばる」は、這う動作に加えて、身体を低く伏せる姿勢や平伏するニュアンスが含まれます。
例えば、赤ちゃんが床を移動する場合は「赤ちゃんが這う」が自然です。
それに対して、落とした物を探すために床に身を低くして進む場合は「床に這いつくばって探す」と表現できます。
両者の違いは、移動そのものを表すか、低く伏せた姿勢まで強調するかという点です。
2. 腹ばいの意味とは?
「腹ばい」は、腹を地面や床につけている状態を表します。
動いている場合だけでなく、腹を下にして横になっている状態にも使われます。
例えば、次のような表現です。
- 腹ばいになって本を読む。
- 子どもが腹ばいで床を進む。
- 腹ばいの姿勢で床の下をのぞく。
「這いつくばる」との違いは、腹が地面についているかどうかだけではありません。
腹ばいは姿勢の説明が中心ですが、這いつくばるは移動や平伏、必死さといったニュアンスまで表現できます。
3. 四つん這いの意味とは?
「四つん這い」は、両手と両足を地面につけて身体を支える姿勢です。
腹は地面から離れていることが一般的です。
例えば、赤ちゃんがハイハイをする直前の姿勢や、床に両手と両膝をついている状態が該当します。
「這いつくばる」とは姿勢が重なることもありますが、四つん這いは身体の支え方を具体的に表現する言葉です。
4つの言葉を一目で比較
| 言葉 | 基本的な意味 | 主な特徴 | ニュアンス |
|---|---|---|---|
| 這う | 地面や床に身体をつけて進む | 移動動作が中心 | 中立的 |
| 腹ばい | 腹を下にして伏せる | 腹が床につく | 姿勢の説明 |
| 四つん這い | 両手と両足を地面につける | 四肢で身体を支える | 姿勢の説明 |
| 這いつくばる | 低く伏せて這う、平伏する | 姿勢と動作の両方 | 必死さ・服従の含み |
このように整理すると、4つの言葉の使い分けが明確になります。
特に「腹ばい」と「四つん這い」は、身体のどの部分を地面につけているかが異なります。
一方、「這いつくばる」は、身体の状態だけでなく、その場面の心理的な印象まで伝えられる表現です。
【使い方と例文】はいつくばるを自然に使うためのポイント
「はいつくばる」は、日常会話から小説、ニュース記事、ビジネス上の比喩表現まで幅広く使われます。
ただし、言葉自体に強い印象があるため、状況に合った使い方が大切です。
身体の動作を表す例文
例文1:
子どもが床に這いつくばって、おもちゃを探している。
→ 床に身体を低くして、手足を使いながら探している様子を表します。
例文2:
落としたコンタクトレンズを見つけるため、床に這いつくばって目を凝らした。
→ 床に顔を近づけ、低い姿勢で探している状態です。
例文3:
強風にあおられ、男性は地面に這いつくばった。
→ 風に抵抗するため、身体を低くして地面に伏せた様子です。
服従や平伏を表す例文
例文4:
彼は権力者に這いつくばって許しを請うた。
→ 相手に頭が上がらず、屈服するような態度を表しています。
例文5:
どれだけ厳しい状況でも、他人に這いつくばってまで助けを求めるつもりはない。
→ 自分の尊厳を失うほど相手に服従することへの抵抗を表現しています。
努力や苦労を表す比喩的な例文
例文6:
彼女は地べたに這いつくばるような思いで、事業を立て直した。
→ 苦労を重ね、必死に努力した様子を表しています。
例文7:
華やかな成功の裏側には、這いつくばるような努力があった。
→ 人目につかない場所での地道な努力や苦労を強調しています。
誤用を避けるための3つのポイント
「はいつくばる」を使う際は、次の点に注意しましょう。
① 単に座っている状態には使わない
椅子に座っている、床に腰を下ろしているという状態だけでは、這いつくばるとはいいません。
身体を低く伏せる、這うように進むといった特徴が必要です。
② 必ずしも腹が地面についているわけではない
四つん這いの姿勢でも使われます。
腹ばいと同じ意味だと限定してしまうと、表現できる状況が狭くなります。
③ 相手への服従を表す場合は強い印象になる
「上司に這いつくばって謝った」という文章では、単に謝罪したというより、屈辱的なほど頭を下げた印象が生まれます。
普通に謝罪したことを伝えるなら、「深く頭を下げた」「丁寧に謝罪した」とするほうが適切です。
【類語・言い換え・対義語】状況に合わせて適切な表現を選ぶ
「はいつくばる」には複数の類語がありますが、すべてが完全に同じ意味ではありません。
身体の動きを表すのか、相手への服従を表すのかによって、適切な言い換えが変わります。
はいつくばるの主な類語
這いずる
床や地面の上を這って動くことです。
這いつくばるよりも移動動作に重点があります。
匍匐(ほふく)する
身体を地面に近づけて這うことです。
文章や説明文では、比較的硬い表現として使われます。
うずくまる
身体を丸めてしゃがみ込むことです。
移動よりも、その場で身体を低くしている状態に重点があります。
しゃがむ
膝を曲げて腰を低くすることです。
這いつくばるほど身体を地面に近づける必要はありません。
平伏する
地面に伏して頭を低くすることです。
這いつくばるのうち、服従や敬意を示す意味に近い表現です。
ひれ伏す
相手や何かの前に深く頭を下げ、服従や畏敬を示すことです。
身体的な姿勢だけでなく、心理的な屈服を強く表現できます。
状況別の言い換え一覧
| 伝えたい意味 | 適切な言い換え |
|---|---|
| 床を這って進む | 這いずる、這って進む |
| 腹を床につける | 腹ばいになる、伏せる |
| 両手と両膝をつく | 四つん這いになる |
| 身体を丸める | うずくまる、しゃがみ込む |
| 相手に服従する | 平伏する、ひれ伏す |
| 深く頭を下げる | 平身低頭する、頭を垂れる |
| 苦労しながら努力する | 泥臭く努力する、地道に取り組む |
はいつくばるの対義語は?
「はいつくばる」には、すべての意味に共通する決まった対義語があるわけではありません。
対義語を考えるときは、どの意味に対して反対なのかを整理する必要があります。
身体の姿勢に対する反対の表現
- 立ち上がる
- 直立する
- 背筋を伸ばす
- 胸を張る
例えば、「地面に這いつくばる」の反対の動作なら、「立ち上がる」が自然です。
服従や平伏に対する反対の表現
- 堂々と向き合う
- 対等に渡り合う
- 胸を張って対応する
こちらは、身体の姿勢というより心理的な態度の違いを表します。
「這いつくばる」と「立ち上がる」は、身体の姿勢という観点では対照的ですが、言葉のすべての意味において厳密な対義語というわけではありません。
【プロの結論】はいつくばるを正しく理解するために押さえたいこと
「はいつくばる」は、単に地面を這って移動することだけを意味する言葉ではありません。
言葉の中心には、身体を低くする、地面に伏せる、這うように進むという動作があります。そこから、相手に平伏する、屈服する、苦労を重ねて必死に努力するといった意味にも広がっています。
文章を書く際に押さえたい判断基準は、次の3つです。
1. 身体の動作を伝えたい場合: 「這いつくばる」「腹ばい」「四つん這い」を姿勢に応じて使い分ける。
2. 服従や屈辱を伝えたい場合: 「平伏する」「ひれ伏す」「平身低頭する」と比較して、表現の強さを調整する。
3. 苦労や努力を伝えたい場合: 比喩としての意味を踏まえ、泥臭さや必死さを伝えたい場面で使う。
特に注意したいのは、「這う」と「這いつくばる」を同じ意味として扱わないことです。
「這う」は幅広い移動動作を表す一方、「這いつくばる」は身体を低く伏せる姿勢や、平伏するニュアンスを伴います。
この違いを理解しておけば、会話でも文章でも、より正確に状況や感情を伝えられます。
はいつくばるに関するよくある質問(FAQ)
Q1:はいつくばるを漢字で書くと何ですか?
A1:「這い蹲る」と書きます。「這い蹲う」と表記する場合もあり、こちらは「はいつくばう」と読みます。どちらも這うように身を低くすることや、平伏することを意味します。
Q2:這い蹲ると這うの違いは何ですか?
A2:「這う」は手足や身体を地面につけて進むことを広く表します。「這い蹲る」は、さらに身体を低く伏せる姿勢や、相手に平伏するニュアンスを含む言葉です。
Q3:はいつくばると腹ばい・四つん這いは同じ意味ですか?
A3:完全に同じではありません。「腹ばい」は腹を地面につける姿勢、「四つん這い」は両手と両足を地面につける姿勢です。「はいつくばる」は両方の姿勢に関連して使えるほか、平伏する意味も持っています。
まとめ:はいつくばるの意味・漢字・使い方を正しく理解しよう
「はいつくばる」は、漢字で「這い蹲る」と書き、地面に身を低く伏せて這うことや、平伏して相手にかしこまることを表します。
語源をたどると、「這う」と「つくばう」という二つの動作が結び付いた言葉であることが分かります。さらに、室町時代の文献にも「這い蹲う」の用例が残されており、長い歴史を持つ日本語表現です。
「這う」「腹ばい」「四つん這い」「うずくまる」「平伏する」などの類語との違いを理解することも大切です。
身体の姿勢を描写したいのか、相手への服従を表したいのか、それとも苦労や努力を強調したいのか。伝えたい内容に合わせて言葉を選べば、「はいつくばる」の意味をより正確に使いこなせます。
参考にした辞書・資料
- 小学館『デジタル大辞泉』
- 小学館『精選版 日本国語大辞典』
- 日本漢字能力検定協会『漢字ペディア』
いずれも語義・漢字・歴史的用例の確認に使用しています。