【4】カールの販売終了理由は?明治が決断した3つの経営上の背景
カールが全国販売を終了した背景には、単純な人気低下だけでは説明できない、食品メーカーとしての経営判断があった。
明治が2017年の発表で示した主な理由は、市場環境や顧客ニーズの変化、競争優位性の低下、長期的な販売規模の低迷による収益性の悪化だった。
理由① スナック菓子市場の変化と販売規模の低迷

かつてカールは明治を代表するスナック菓子だった。しかし、消費者の嗜好や競合商品の変化などによって、従来の販売規模を維持することが難しくなっていた。
ITmedia ビジネスオンラインの2023年2月の取材記事では、カールの売上規模について、ピーク時には190億円を超えていた時期もあった一方、後には60億円程度まで落ち込んでいたと紹介している。
これは、長年のブランド認知だけでは事業を維持できなくなっていたことを示す数字だ。
理由② 5つの生産拠点を集約する必要があった
2017年以前、カールは全国5カ所の工場で生産されていた。
しかし、販売規模が縮小するなかで、従来の生産体制を維持すれば、工場の稼働効率や物流コストの面で負担が大きくなる。
そこで明治は、生産拠点を見直し、グループ会社の四国明治・松山工場に生産を集約する方針を採った。
全国各地で製造するのではなく、製造拠点を絞り、そこから効率的に商品を届けられる地域に販売エリアを限定する。これが西日本限定販売につながった。
つまり、東日本での販売終了は、単に東日本の消費者に人気がなかったからではない。生産と物流を含めた事業全体の採算性を確保するための判断だった。
理由③ ブランドを完全消滅させないための選択
見落とされがちなのが、明治が2017年の時点でブランドそのものの終了も検討していたという点だ。
ITmediaの2017年5月の報道によれば、明治は発表の約3年前からブランド存続の可能性を模索していた。
長年販売してきた歴史ある商品を完全に終了させるのではなく、地域と商品数を絞ることで存続させる道を選んだのである。
この判断は、消費者にとってもメーカーにとっても意味が大きい。
全国どこでも買える商品ではなくなった一方、ブランドと主力商品の販売を継続できた。カールの歴史は、全国展開を維持することと、商品を残すことが必ずしも同じではないと示している。
【5】2026年現在のカールは2種類!チーズあじ・うすあじの違い
カール チーズあじ
内容量:64g
6種類のチーズをブレンドした、コクとうまみが特徴の定番フレーバー。チーズの香りを楽しめる商品だ。
カール うすあじ
内容量:68g
和風だしのうまみを生かした、風味豊かな味わい。昆布やあさり、しいたけなどの風味が特徴となっている。
カレーあじはなぜ復活しない?
カールカレーあじは、2017年8月生産分をもって販売終了となった商品だ。
現在の明治公式商品情報で確認できる通常のカールは、チーズあじとうすあじの2種類。カレーあじは現行ラインアップに含まれていない。
なお、過去に販売されていた大人の贅沢カールにもカレー系フレーバーがあったが、こちらも通常のカレーあじとは別の商品として販売を終了している。
過去のフレーバーを懐かしむ人にとっては残念な状況だが、現在の販売継続商品と過去の終売商品は区別しておきたい。
四国明治・松山工場から大阪工場へ。製造場所はどう変わる?
2017年の販売地域縮小後、カールは愛媛県松山市にある四国明治の松山工場で製造されてきた。
松山工場では1975年からカールの生産が始まり、2017年以降は全国唯一の製造拠点となっていた。
しかし、2025年10月に工場閉鎖計画が明らかになり、2026年12月の閉鎖と大阪工場への製造移管が予定されている。
この変更で注目したいのは、製造する場所と販売する地域が別々に判断されていることだ。
大阪工場に製造機能が移っても、全国販売へ戻るという発表はない。西日本限定販売は継続する方針と報道されている。
カールの販売地域を決めるのは、工場がどこにあるかだけではなく、生産効率や物流を含む事業全体の採算性なのである。
【6】カールはどこで買える?取扱店舗検索・通販での購入方法
「東日本に住んでいるけれど、久しぶりにカールを食べたい」という人にとって、気になるのは具体的な購入方法だろう。
2026年現在、主な購入方法は次の3つに整理できる。
① 明治公式の取扱店舗検索を利用する
最も確実な探し方は、明治公式の商品情報から取扱店舗検索を利用することだ。
明治の公式FAQでも、販売地域の案内とともに取扱店舗の検索を案内している。
おすすめの手順は次のとおり。
1. 明治の公式サイトでカールの商品情報を確認する。
2. 商品ページにある「取扱店舗検索」を利用する。
3. 販売対象地域内の店舗を調べる。
4. 来店前に店舗へ在庫を確認する。
特に西日本でも、すべてのスーパーやコンビニに必ず置いてあるわけではない。販売対象地域と実際の店頭在庫は分けて考えたい。
② 通販サイト・ECモールで購入する
東日本に住んでいる人には、通販も現実的な選択肢になる。
2026年10月時点では、通販サイトやショッピングモールでカールの商品ページや販売出品を確認できる。
例えば、次のような販売先がある。
- 大手家電量販店のオンラインショップ
- Yahoo!ショッピングなどのECモール
- 地域の菓子店が運営するネットショップ
- 食品・お菓子専門の通販店
ただし、販売店によって在庫や販売単位が異なる。単品ではなく、5袋・10袋・20袋などのまとめ売りになっている場合もある。
購入時には次の点を確認しておきたい。
- 1袋当たりの価格
- 送料を含めた総額
- チーズあじ・うすあじのどちらか
- 販売者が誰なのか
- 賞味期限と保存状態
特に地域限定商品は、通常の店頭価格より高い価格で出品される場合もある。商品価格だけで判断せず、送料込みで比較するのがおすすめだ。
③ 明治の公式通販では購入できる?
ここは間違えやすいポイントだ。
明治の2026年9月1日公開の公式FAQには、カールの通信販売について次の回答が掲載されている。
お客様への直接の通信販売は行っておりません。
つまり、明治が消費者向けに直接販売する公式通販は行っていない。
ただし、これは一般の通販サイトや小売店が販売することまで禁止しているという意味ではない。メーカー直販と、販売店による通販は別の仕組みだ。
松山市のふるさと納税返礼品は2026年8月末で受付終了
以前は、愛媛県松山市のふるさと納税返礼品としてカールを入手する方法もあった。
松山市は全国で初めてカールをふるさと納税の返礼品に採用し、チーズあじ・うすあじの詰め合わせなどを提供していた。
しかし、松山市公式ホームページによると、2026年8月31日をもって受付終了となっている。
そのため、過去の記事で紹介されている返礼品情報を見て申し込もうとしても、現在は利用できない。返礼品としての取り扱い終了と、一般販売の終了は別の出来事だ。
【カールの販売中止】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:カールは2026年末で完全に販売終了するのですか?
A1:そのような発表はありません。2026年12月には四国明治・松山工場の閉鎖が予定されていますが、製造は大阪工場へ移管し、西日本限定販売を継続する方針が報道されています。
Q2:現在販売されているカールは何味ですか?
A2:チーズあじとうすあじの2種類です。どちらも明治の公式商品情報に掲載されており、西日本限定で販売されています。
Q3:カールは東京や関東のスーパーでは買えないのですか?
A3:関東地方は通常の販売対象地域ではありません。ただし、地域外から仕入れた商品や通販を利用すれば購入できる場合があります。
Q4:カールカレーあじは復活していますか?
A4:2017年8月生産分をもって販売終了しており、2026年現在の通常ラインアップには含まれていません。
Q5:明治の公式通販でカールを注文できますか?
A5:明治は消費者への直接通販を行っていません。通販で購入したい場合は、一般の小売店やECモールの販売状況を確認してください。
まとめ:カールは販売中止ではなく西日本限定で継続!今後の動向にも注目
2026年10月現在、明治のカールは完全に販売中止になったわけではない。2017年8月に全国販売を終了し、チーズあじとうすあじの2種類を西日本限定で販売する形に変更された商品だ。
販売地域縮小の背景には、長期的な販売低迷、収益性の悪化、生産拠点の集約、物流コストの見直しがあった。明治はブランドを完全に終了させるのではなく、地域と商品数を絞って存続させる道を選んだ。
また、2026年12月には四国明治・松山工場の閉鎖と大阪工場への製造移管が予定されている。ただし、これは製造体制の変更であり、カール自体の販売終了を意味するものではない。
今後も購入したい人は、次の3点を覚えておくとよい。
- 現在の通常商品はチーズあじ・うすあじの2種類。
- 販売対象は明治公式FAQに掲載された西日本23府県。
- 東日本から購入する場合は、通販サイトや小売店の在庫・送料を比較する。
長年親しまれてきたカールは、全国どこでも気軽に買えるお菓子ではなくなった。それでも、製造拠点を変えながらブランドを残そうとする明治の判断によって、2026年もチーズあじとうすあじを楽しめる状況は続いている。
「カールがなくなった」という情報を見かけたら、全国販売の終了なのか、特定商品の終売なのか、製造工場の変更なのかを確認することが大切だ。