下まぶたのものもらいは麦粒腫?霰粒腫?痛み・しこりの違いと治療、受診目安を徹底解説
下まぶたに赤い腫れや小さなしこりができると、「ものもらいだろうか」「放っておいても治るのか」「目の内側にできているけれど大丈夫なのか」と不安になる人は少なくありません。下まぶたのものもらいには、細菌感染によって赤みや痛みが生じる麦粒腫(ばくりゅうしゅ)と、マイボーム腺の出口が詰まってしこりができる霰粒腫(さんりゅうしゅ)があります。見た目が似ていても、原因や治療方法は異なります。
2026年11月現在、日本眼科学会の一般向け疾患解説でも、両者は別の病気として説明されています。痛みの有無だけで判断できないケースもあり、下まぶたの内側にできた腫れや、痛みが引いた後に残る硬いしこりには注意が必要です。症状の特徴、発症する仕組み、眼科で行われる治療、受診を急ぐべきサインまで整理します。
📌 この記事の重要ポイントまとめ
- 要点1: 下まぶたの赤みや痛みは麦粒腫、痛みの少ない硬いしこりは霰粒腫の可能性がある。
- 要点2: 麦粒腫は細菌感染、霰粒腫はマイボーム腺の詰まりが主な発症の仕組み。
- 要点3: 抗菌薬の目薬や切開など、治療は病気の種類と炎症の程度によって異なる。
- 要点4: 視力低下、発熱、目を動かしたときの痛みがあれば、速やかな受診が必要。
- 要点5: 自分でしこりを潰したり、針で膿を出したりする行為は避ける。
【まず確認】下まぶたのものもらいに現れる症状とは?痛み・赤み・しこりの特徴

下まぶたにできるものもらいは、まぶたの縁に近い場所だけでなく、皮膚側や裏側の粘膜部分にも発生します。
症状は、腫れの位置や炎症の程度によって異なります。最初に確認したいのは、赤みがあるか、触れたときに痛いか、硬いしこりが残っているかという3つのポイントです。
下まぶたにできるものもらいの代表的な症状
代表的な症状には、次のようなものがあります。
- 下まぶたの一部分が赤く腫れる
- まばたきをすると痛みや違和感がある
- 腫れた部分を軽く触れると痛い
- まぶたの内側に白っぽい膿のような部分が見える
- 皮膚の下に丸いしこりができる
- 目に異物が入ったような感覚がある
- 腫れが落ち着いた後も硬い塊が残る
麦粒腫では、細菌感染によって局所的な炎症が起こるため、赤みや腫れ、痛みが目立ちます。
一方、霰粒腫では、典型的には痛みや赤みが少なく、皮膚の下にコロコロとした塊を感じます。
日本眼科学会による解説でも、霰粒腫は小さなものから1cmを超えるものまで大きさに幅があり、上下どちらのまぶたにも発生するとされています。
下まぶたのものもらいが痛い場合は麦粒腫?
下まぶたの腫れに痛みが伴う場合、まず考えられるのが麦粒腫です。
細菌がまぶたの分泌腺に感染し、急性の化膿性炎症を起こすことで発症します。
初期には軽い違和感やかゆみ程度でも、炎症が進行すると腫れや痛みが強くなることがあります。
特に、次のような症状がある場合は注意が必要です。
- まぶたの一部分が赤く盛り上がっている
- 触れるとズキッとした痛みがある
- まばたきのたびに下まぶたが擦れるように感じる
- 腫れの中心に白い膿点が見える
- 周囲まで赤みが広がっている
ただし、霰粒腫でも炎症が強くなると、赤みや痛みが出ることがあります。
そのため、痛みがあるという理由だけで麦粒腫と断定することはできません。
下まぶたに痛くないしこりがある場合は霰粒腫?
痛みがほとんどなく、下まぶたの内側や皮膚の下に丸いしこりがある場合は、霰粒腫の可能性があります。
霰粒腫は、マイボーム腺の出口が詰まり、内部に脂質を含む分泌物がたまることで形成されます。
特徴は次のとおりです。
- 皮膚の下にコリコリした塊がある
- 押しても強い痛みがない
- 腫れが比較的限られた範囲にとどまる
- 赤みが目立たないことが多い
- 数週間以上しこりが残ることがある
注意したいのは、痛みがないからといって必ず良性の霰粒腫だとは限らないことです。
特に、同じ場所に繰り返しできる場合や、長期間改善しない場合は、ほかのまぶたの病気との鑑別が必要になります。
ものもらいが下まぶたの内側にできることもある
ものもらいは、まぶたの外側だけにできる病気ではありません。
下まぶたの裏側にあるマイボーム腺に炎症が起こると、内側に腫れが現れることがあります。
この場合、外から見ただけでは腫れが分かりにくく、まばたきの際に異物感や痛みを覚えることもあります。
内側に白っぽい膨らみが見えるケースもありますが、無理に下まぶたを引っ張ったり、指で押したりする必要はありません。
腫れの位置が分かりにくい場合は、眼科でまぶたの裏側まで確認してもらうことが適切です。
【見分け方を比較】麦粒腫と霰粒腫は何が違う?内麦粒腫・外麦粒腫も解説
下まぶたにできるものもらいを理解するうえで、特に重要なのが麦粒腫と霰粒腫の違いです。
どちらもまぶたに腫れやしこりが生じますが、発症する仕組みは異なります。
麦粒腫の原因と症状
麦粒腫は、まぶたに存在する皮脂腺や汗腺などに細菌が感染して起こる急性の炎症です。
日本眼科学会によると、感染が起こる場所によって外麦粒腫と内麦粒腫に分類されます。
外麦粒腫は、まつ毛の付け根付近にある皮脂腺や汗腺に感染が起こるタイプです。
一方、内麦粒腫は、まぶたの内部に存在するマイボーム腺に細菌感染が起こるタイプです。
いずれも赤み、腫れ、痛みが代表的な症状で、化膿が進むと膿がたまることがあります。
霰粒腫の原因と症状
霰粒腫は、マイボーム腺の出口が詰まり、内部に分泌物がたまることで起こります。
マイボーム腺は、涙の表面に油分を供給する器官です。この油分は涙の蒸発を防ぎ、目の表面を保護する働きを担っています。
ところが、腺の出口が詰まると、分泌物が内部に蓄積します。
その分泌物を処理する過程で慢性的な炎症が生じ、肉芽腫と呼ばれる組織の塊が形成されます。
このため、霰粒腫は基本的に細菌感染による病気ではありません。
典型的には痛みが少なく、下まぶたの中に硬いしこりが残ります。ただし、急性の炎症を伴うと赤く腫れ、麦粒腫と見分けにくくなることがあります。
麦粒腫と霰粒腫の見分け方を一覧で比較
両者の違いを整理すると、次のようになります。
内麦粒腫と外麦粒腫の違いは発生する場所
麦粒腫の2種類は、感染する腺の位置によって区別されます。
外麦粒腫
- まつ毛の付け根付近に発生する
- 皮脂腺や汗腺への細菌感染が原因
- まぶたの縁に赤みや腫れが出やすい
内麦粒腫
- まぶたの内部にあるマイボーム腺に発生する
- まぶたの裏側に炎症が現れることがある
- 外側から腫れが分かりにくい場合もある
特に下まぶたの内側に痛みがある場合、内麦粒腫が関係している可能性があります。
ただし、発生場所だけで病名を確定することはできません。霰粒腫も同じマイボーム腺に関係するため、眼科での診察が必要です。
【原因を詳しく解説】マイボーム腺の詰まりや細菌感染はなぜ起こる?
ものもらいを繰り返す人にとって気になるのが、なぜ同じような腫れが何度もできるのかという問題です。
その背景には、まぶたの分泌腺の働きや、細菌による感染、まぶたの衛生状態などが関係しています。
マイボーム腺が詰まる仕組み
マイボーム腺は、上まぶたと下まぶたの内部に並んでいる脂質の分泌腺です。
分泌された油分は涙の表面に広がり、目の乾燥を防ぐ役割を果たします。
しかし、何らかの理由で分泌物の出口が詰まると、内部に脂質が蓄積します。
その結果、周囲に慢性的な炎症が生じ、霰粒腫につながることがあります。
霰粒腫ができやすい人では、マイボーム腺の機能やまぶたの炎症状態を確認することも大切です。
日本角膜学会が公開するマイボーム腺機能不全診療ガイドラインでも、温罨法や眼瞼清拭などが治療上の選択肢として取り上げられています。
麦粒腫につながる細菌感染
麦粒腫では、まぶたの分泌腺に細菌が侵入することで炎症が起こります。
目の周辺にはもともとさまざまな細菌が存在しており、手指で目を触ったり、まぶたをこすったりすることで感染のきっかけになる場合があります。
特に気をつけたい習慣は次のとおりです。
- 手を洗わずに目を触る
- 汚れたタオルで目元を拭く
- アイメイクを十分に落とさない
- 目元を頻繁にこする
- まぶたに炎症がある状態で刺激を与える
ただし、ものもらいができたからといって、必ずしも本人の衛生管理に問題があったわけではありません。
日常的な細菌の存在に加えて、まぶたの状態や炎症の起こりやすさなど、複数の要素が関係します。
ものもらいは人から人へうつる?
一般的な麦粒腫は細菌感染による局所的な炎症ですが、インフルエンザのように人から人へ広がる感染症ではありません。
そのため、ものもらいができた人と同じ空間にいるだけで感染する心配は基本的にありません。
ただし、目やにや分泌物が付着した手で目を触ることは避けるべきです。
家族でタオルを共有しない、目元を触る前に手を洗うなど、基本的な衛生管理を心がけましょう。
【正しい治し方】ものもらいの目薬・抗菌薬・切開排膿はどう使い分ける?
下まぶたのものもらいを治す方法は、麦粒腫なのか霰粒腫なのかによって異なります。
特に重要なのが、抗菌薬が必要なケースと、詰まった分泌物への対応が必要なケースを区別することです。
麦粒腫には抗菌薬の目薬が使われる
麦粒腫では細菌感染を抑える目的で、抗菌薬の点眼薬や眼軟膏が処方されます。
炎症が強い場合や感染の状態によっては、内服薬が使われることもあります。
治療では、次のような点が考慮されます。
- 腫れの範囲
- 痛みの程度
- 膿がたまっているか
- 炎症が周囲に広がっているか
- これまでの治療で改善しているか
抗菌薬の目薬は、すべてのまぶたのしこりに有効というわけではありません。
特に霰粒腫は、基本的に細菌感染が原因ではないため、抗菌薬だけでしこりそのものが消えるとは限りません。
東京医科大学病院の眼科も、霰粒腫では抗菌薬の効果が一般的に期待しにくい一方、炎症を伴う場合には薬による消炎が必要になると説明しています。
霰粒腫には温めるケアや経過観察が選択肢になる
霰粒腫では、しこりの大きさや炎症の程度によって治療方法が変わります。
小さく、痛みや視覚への影響がない場合は、自然に吸収されるか経過を観察することがあります。
マイボーム腺の詰まりが関係している場合には、温罨法が選択肢になります。
自宅で行う場合は、次の点に注意してください。
1. 手をきれいに洗う。
2. 清潔なタオルをぬるめのお湯で温める。
3. 目を閉じた状態で、無理のない温度のタオルをまぶたに当てる。
4. 熱さや痛みを感じたらすぐに中止する。
5. しこりを強く押したり揉んだりしない。
温めるケアは、マイボーム腺の分泌物を柔らかくする目的で行われます。
ただし、強い赤みや痛みがある場合、炎症が広がっている場合は、自宅でのケアを優先せず眼科を受診してください。
ものもらいの切開・排膿はどんな場合に行う?
麦粒腫の化膿が進み、膿がたまっている場合には、眼科で切開排膿を検討することがあります。
切開排膿とは、医師が適切な処置を行い、たまった膿を外へ出す治療です。
すべてのものもらいに必要な処置ではありません。
主に、次のような場合に検討されます。
- 膿がたまって腫れが強い
- 自然に膿が排出されない
- 薬による治療だけでは改善が難しい
- 痛みや炎症が強く、処置が必要と判断された
一方、霰粒腫では、しこりを形成している肉芽腫を切開して取り除く手術や、ステロイド懸濁液を注射する治療が選択肢になります。
麦粒腫の切開排膿と霰粒腫の摘出術は、目的が異なる処置です。
日本眼科学会や東京医科大学病院の解説でも、病気の種類や経過に応じて治療方法が異なることが示されています。
自分で針を刺して膿を出すのは危険
下まぶたに白い膿のような部分が見えると、自分で潰したくなるかもしれません。
しかし、針や爪で患部を刺激することは避けてください。
理由は次のとおりです。
- 新たな細菌感染を起こす可能性がある
- 周囲の組織に炎症が広がるおそれがある
- まぶたを傷つける危険がある
- 適切な排膿ができず、症状が悪化する場合がある
膿がたまっているように見えても、自然に破れるのを待つべきか、眼科で処置すべきかは診察によって判断します。
市販の目薬や以前処方された薬を、自己判断で使い続けることも避けましょう。
【治らない原因と受診目安】下まぶたのしこりが残る・繰り返す場合の注意点
ものもらいの治療を受けたのに、腫れが完全に消えないことがあります。
特に、痛みがなくなった後も下まぶたに硬いしこりが残る場合は、麦粒腫から霰粒腫へと診断や治療の考え方が変わる可能性があります。
ものもらいが治らない原因は?
考えられる原因はいくつかあります。
1. 霰粒腫に変化している
麦粒腫として炎症が落ち着いた後、内部にしこりが残る場合があります。
日本眼科学会は、麦粒腫として治療を始めた後、腫れが引いてからしこりが目立つようになり、実際には霰粒腫だったと分かるケースについても説明しています。
2. マイボーム腺の詰まりが続いている
霰粒腫では、分泌物の詰まりによって形成された肉芽腫が残ることがあります。
炎症が落ち着いても、しこりがすぐに消えるとは限りません。
3. 治療方法が病気の種類に合っていない
細菌感染がない霰粒腫に抗菌薬だけを使用しても、しこりそのものへの十分な効果は期待できません。
病状に合った治療を選択する必要があります。
4. 別の病気が隠れている
まぶたの腫れやしこりは、麦粒腫や霰粒腫だけで起こるものではありません。
涙道の炎症や眼瞼腫瘍など、別の病気との区別が必要なケースもあります。
特に高齢者で、同じ場所に繰り返すしこりや長期間治らない病変がある場合には、脂腺癌などの悪性腫瘍との鑑別が重要です。
下まぶたのものもらいで眼科を受診する目安
次のような症状がある場合は、眼科への相談をおすすめします。
| 症状 | 受診の考え方 |
|---|---|
| 下まぶたが赤く腫れて痛い | 早めに眼科を受診 |
| 腫れが徐々に大きくなる | 早めに眼科を受診 |
| 膿がたまっているように見える | 眼科で処置の必要性を確認 |
| 痛みが消えてもしこりが残る | 眼科で霰粒腫などを確認 |
| 同じ場所に何度もできる | 眼科で原因を調べる |
| 長期間改善しない | 眼科で再評価を受ける |
| 視力低下や眼球運動時の痛みがある | 速やかに救急対応可能な医療機関へ |
特に、次の症状は通常のものもらいとして様子を見続けてはいけないサインです。
速やかな受診が必要な症状
- 急に視力が低下した
- 目を動かすと強く痛む
- 目を動かしにくい
- 物が二重に見える
- 眼球が前に出ているように見える
- 発熱とともにまぶたの腫れが広がっている
- 目の奥に強い痛みがある
これらは眼窩蜂窩織炎など、目の周囲の深い組織に感染が広がる病気でも見られます。眼科または救急対応可能な医療機関を速やかに受診してください。
眼科ではどのような検査をする?
眼科では、まぶたの表面だけでなく、必要に応じて裏側の状態も確認します。
主に確認されるのは次の項目です。
- 腫れができている場所
- 赤みや炎症の程度
- しこりの大きさや硬さ
- 膿がたまっているか
- まぶたの裏側の状態
- 角膜や結膜など目の表面の状態
必要に応じて細隙灯顕微鏡などを使って詳しく観察します。
長期間改善しない場合や、同じ場所に繰り返しできる場合には、追加検査や病理検査が検討されることもあります。
受診時には、いつから腫れているか、痛みが強くなっているか、以前にも同じ場所にできたことがあるかを伝えると診察に役立ちます。
【プロの結論】下まぶたのものもらいで間違えやすい3つのポイント
下まぶたのものもらいで判断を誤りやすいのは、症状が似ていることだけではありません。
発症直後と炎症が落ち着いた後では、見た目が変わることもあります。
特に覚えておきたいのが、次の3点です。
1. 痛みがあるかどうかだけでは病名を判断できない
一般的には、痛みがある場合は麦粒腫、痛みが少ない場合は霰粒腫が疑われます。
しかし、霰粒腫でも急性の炎症を伴うと痛みや赤みが出ることがあります。
逆に、麦粒腫の炎症が落ち着くと、痛みが減ってしこりだけが残る場合もあります。
そのため、痛みの有無だけで病名を決めつけないことが大切です。
2. しこりが残っているからといって、感染が続いているとは限らない
抗菌薬を使用して痛みが改善したのに、しこりが残ることがあります。
これは、感染による炎症と、マイボーム腺の詰まりによってできた肉芽腫が別の問題だからです。
痛みが消えた後も腫瘤が残る場合は、治療を続けるべきか、経過観察でよいか、処置が必要かを眼科で判断してもらいましょう。
3. 何度も繰り返す場合は原因そのものを確認する
同じ場所にしこりが繰り返しできる場合、単純なものもらいとして処理し続けることには注意が必要です。
マイボーム腺の機能や慢性的なまぶたの炎症、ほかの疾患の可能性などを確認する必要があります。
特に高齢者で、治りにくいしこりやまつ毛の脱落を伴う病変がある場合には、眼瞼腫瘍との鑑別も重要になります。
プロの結論は、下まぶたのものもらいは「痛いか、痛くないか」だけで判断せず、発生場所・しこりの状態・経過を合わせて評価することです。
【よくある質問】ものもらいの下まぶたに関するFAQ
Q1:下まぶたにものもらいができた場合、自然に治りますか?
A1:麦粒腫は軽症であれば自然に膿が排出され、炎症が落ち着く場合があります。霰粒腫も自然に小さくなることがありますが、吸収まで長期間かかるケースがあります。腫れや痛みが強い場合、改善しない場合は眼科を受診してください。
Q2:下まぶたの内側に白いできものがあります。ものもらいですか?
A2:内麦粒腫や霰粒腫などの可能性があります。まぶたの裏側にできた腫れは、見た目だけでは区別が難しいため、眼科で確認してもらいましょう。
Q3:下まぶたのものもらいが痛くない場合もありますか?
A3:あります。霰粒腫は典型的には痛みが少なく、硬いしこりが主な症状です。ただし、炎症を伴うと痛みや赤みが出ることもあります。
Q4:ものもらいの目薬は市販薬でも治せますか?
A4:原因によって異なります。麦粒腫では抗菌薬の点眼などが必要になることがあり、霰粒腫では抗菌薬だけではしこりの改善が期待しにくい場合があります。自己判断で薬を選ぶより、眼科で診断を受けることが適切です。
Q5:下まぶたのしこりは何日くらいで治りますか?
A5:病気の種類や大きさ、炎症の程度によって異なります。麦粒腫は炎症が落ち着けば改善に向かうことがありますが、霰粒腫は数週間以上しこりが残る場合もあります。長期間改善しない場合や大きくなる場合は再診してください。
Q6:ものもらいを自分で潰しても大丈夫ですか?
A6:避けてください。針や爪で潰すと、細菌感染や炎症の悪化、まぶたの損傷につながる可能性があります。膿がたまっている場合は、眼科で切開排膿が必要か判断してもらいましょう。
Q7:ものもらいが治ったのに、下まぶたに硬いしこりが残るのはなぜですか?
A7:麦粒腫の炎症が落ち着いた後、霰粒腫による肉芽腫が残っている可能性があります。ただし、ほかの病気との区別も必要です。同じ場所に繰り返す場合や長期間消えない場合は眼科を受診してください。
まとめ:下まぶたのものもらいは症状と経過を見極めて適切に治療しよう
下まぶたにできるものもらいには、細菌感染によって赤みや痛みが生じる麦粒腫と、マイボーム腺の出口が詰まってしこりが形成される霰粒腫があります。
赤く腫れて痛む場合は麦粒腫、痛みが少なく硬いしこりが残る場合は霰粒腫が疑われます。ただし、霰粒腫にも炎症が起こることがあり、両者の症状が似るケースも珍しくありません。
治療では、麦粒腫に対して抗菌薬の点眼や内服、必要に応じた切開排膿が検討されます。霰粒腫では経過観察や温罨法、炎症を抑える治療、ステロイド注射、手術などが選択肢になります。
大切なのは、痛みがなくなったからといって、しこりまで完全に治ったと判断しないことです。
特に、下まぶたの内側にできた腫れ、長期間残るしこり、同じ場所に繰り返すできものには注意が必要です。視力低下や目を動かしたときの痛み、発熱を伴う腫れがあれば、速やかに医療機関を受診してください。
自己判断で潰したり、手元に残っている目薬を使い続けたりせず、眼科で原因を確認することが、適切な治療と再発予防につながります。
主な参考資料
- 公益財団法人日本眼科学会「麦粒腫」
- 公益財団法人日本眼科学会「霰粒腫」
- 東京医科大学病院「目の病気の質問箱」
- 関西医科大学附属病院「麦粒腫(ものもらい・めいぼ)」
- 公益社団法人日本角膜学会「マイボーム腺機能不全診療ガイドライン」
- 社会福祉法人恩賜財団済生会「霰粒腫」
※本記事は一般的な医療情報の解説です。個別の診断や治療方針は、眼科医の診察に基づいて決定してください。