ペットロスでもう飼わないのはなぜ?2026年研究と調査で理由・再び迎える判断を徹底解説
大切な犬や猫を亡くしたあと、「もう二度とペットは飼わない」と決める人がいる。一方で、悲しみが少し落ち着いたころに、再び動物と暮らしたいと考える人も少なくない。この違いは、単に悲しみの深さだけでは説明できない。ペットとの愛着の強さ、別れ方、看取りの経験、自責の念、家族の意見、そして新しい命を最後まで守れるかという責任感が複雑に関係している。
2026年9月15日発行の医学書院『精神医学』68巻9号では、坂口幸弘氏による「ペットへの愛着とペットロスの病理」が掲載された。また、ペットフード協会の2025年全国犬猫飼育実態調査では、飼育していない理由として「別れがつらいから」と回答した人が犬で26.4%、猫で20.9%に上った。調査対象の範囲や数字の意味、最新の研究が示す悲嘆の要因、再び飼うタイミング、ペットロスとの向き合い方を詳しく整理する。
📌 【この記事の重要ポイントまとめ】
- 調査結果:2025年調査では「別れがつらいから」が犬26.4%、猫20.9%。経済面や住環境と並ぶ飼育の阻害要因になっている。
- 2026年の研究:悲嘆の強さには愛着の質、突然の死、安楽死の選択に伴う葛藤などが関係する。
- 再び飼うタイミング:決まった期間はない。亡くなったペットの代わりではなく、新しい個性を持つ家族として迎えられるかが判断の目安になる。
【なぜペットロスでもう飼わない?】別れがつらいと答えた人の割合と本当の理由

ペットロスでもう飼わないと考える人の心理を理解するには、まず飼育をためらう人たちの実際の回答を見る必要がある。
犬26.4%、猫20.9%が「別れがつらい」と回答
一般社団法人ペットフード協会が公表した「2025年全国犬猫飼育実態調査」には、現在は犬や猫を飼育していないものの、今後は飼育したいと考えている人を対象にした調査がある。
その結果、犬を飼育していない理由として「別れがつらいから」を選んだ人は26.4%だった。これは「世話をするのにお金がかかるから」の27.0%に続く2番目の割合である。
猫については「別れがつらいから」が20.9%。集合住宅などで飼育が禁止されていることや、飼育費用などに続く理由として挙がった。
ここで重要なのは、これらの数字が全日本人や過去にペットを飼っていた人全員の割合ではない点だ。対象は、現在飼育しておらず、今後の飼育意向がある人である。犬の回答者は692人、猫は737人だった。
また、複数回答で「理由の一つ」として選んだ割合と、「現在飼育していない最大の理由」として単独で選んだ割合は異なる。後者では犬7.2%、猫6.2%となっている。
つまり、別れへの恐怖は多くの人が感じる飼育上の不安だが、それだけが唯一の決定理由というわけではない。
「もう飼わない」と決める背景には複数の事情がある
ペットとの別れを経験した人が再び飼育しない理由には、悲しみ以外にもさまざまな事情がある。
- 亡くなったときの精神的ショックをもう経験したくない。
- 病気や老化によって弱っていく姿を見るのがつらい。
- 治療や介護、看取りに伴う責任を再び背負う自信がない。
- 年齢や健康状態を考えると、最後まで世話をできるか不安がある。
- 仕事や旅行、家族の事情などで十分な時間を確保できない。
- 医療費や日常的な飼育費用を継続して負担することが難しい。
クロス・マーケティングが2024年に実施した全国調査でも、過去にペットを飼育していた人583人の自由回答には、「別れがつらい」「死ぬのを見たくない」「亡くなったときの精神的ショックが大きい」といった意見が整理されている。
同調査では、世話にかかる時間や費用、年齢的な問題、住宅環境なども飼育をためらう理由として挙がった。
ここから分かるのは、「もう飼わない」という選択が、ペットへの愛情の不足を意味するわけではないことだ。むしろ、以前の飼育経験から命を預かる責任の重さを知っているため、簡単には次の命を迎えられない人もいる。
【2026年最新研究】ペットロスの悲嘆反応を強める4つの要因
2026年のペットロス研究で注目される資料が、医学書院の専門誌『精神医学』68巻9号に掲載された坂口幸弘氏の論考「ペットへの愛着とペットロスの病理」だ。
同誌は2026年9月15日発行。関西学院大学人間福祉学部の坂口氏が、ペットへの愛着と死別後の悲嘆について解説している。
1.ペットとの愛着の強さと質
ペットは、単に食事や散歩の世話をする対象ではない。毎日の生活を共有し、感情を向け、安心感を得る伴侶としての役割を担う場合がある。
朝起きるとそばにいる、帰宅すると迎えてくれる、何気ない時間を一緒に過ごす。こうした日常の積み重ねによって、飼い主とペットの間には独自の愛着関係が形成される。
そのため、失ったときには動物の存在だけでなく、毎日の生活のリズムや心の支えまで失われたように感じることがある。
坂口氏の論考では、悲嘆の程度に愛着の強さだけでなく、その質も関係すると整理されている。ただし、ペットへの愛着が強いことが、必ずしも良好な精神的健康と結びつくという一貫した根拠があるわけではない。
2.突然の死や予期できない別れ
高齢になったペットを長期間介護し、少しずつ別れの準備をしていた場合と、事故や急病で突然亡くなった場合では、飼い主の心理的な状況が異なる。
突然の死では、心の準備をする時間がほとんどない。何が起きたのか理解できず、亡くなった事実を受け入れられない状態が続くこともある。
東京都動物愛護相談センターのペットロスに関する解説でも、突然死や予期できない別離は、悲嘆から回復するうえで周囲の注意が必要な状況として取り上げられている。
3.安楽死の選択に伴う葛藤
病気や重い症状を抱えるペットに対して、飼い主は治療を続けるのか、苦痛を減らすための選択をするのか、難しい判断を迫られる場合がある。
獣医師と相談して決断したとしても、亡くなったあとに「あのとき別の治療を選べばよかったのではないか」「自分の判断で命を終わらせてしまったのではないか」と考えることがある。
このような葛藤は、ペットロス特有の自責の念を強める要因の一つだ。
4.不適応的な認知・感情の調整
悲しみを抱えたとき、出来事を何度も思い返し、自分を責め続けたり、別の可能性ばかりを考えたりすることがある。
もちろん、後悔や悲しみを感じること自体は異常ではない。しかし、過去の出来事について自分を責め続け、感情を整理できなくなると、日常生活にも影響が及ぶ可能性がある。
2026年の論考は、こうした認知的・情動的な調整のあり方も悲嘆の程度に関係する要因として挙げている。
ペットロスは社会的に理解されにくい悲しみでもある
人間同士の死別と比べて、ペットとの別れは周囲から軽く扱われる場合がある。
「また飼えばいい」「動物だから仕方がない」といった言葉をかけられると、本人は自分の悲しみを認めてもらえないと感じることがある。
2026年の論考では、ペットロスを社会的に公認されにくい悲嘆の一つとして位置づけている。これは英語でディスエンフランチャイズド・グリーフ(公認されない悲嘆)と呼ばれる概念に関連する。
なお、ICD-11やDSM-5-TRにおける遷延性悲嘆症の診断基準は、ペットとの死別そのものには適用されない。一方で、同様の症状を示す人が一定数存在することも指摘されている。悲しみが強いからといって自己判断で精神疾患と決めつける必要はないが、支援が必要な状態を見逃さないことが大切だ。
【犬との別れ・猫との別れ】ペットロスの違いと研究から分かること
犬との別れがつらい人もいれば、猫との別れによって深い喪失感を抱える人もいる。犬と猫では一緒に過ごす日常の形が異なるため、失ったときに感じる不在の形にも違いが生まれる。
犬との別れがつらい理由
犬との生活では、散歩や食事、遊び、帰宅時の出迎えなど、飼い主と直接関わる時間が日常の中に組み込まれていることが多い。
亡くなったあとも、散歩の時間になると外へ出る習慣を思い出したり、玄関を開けた瞬間に迎えてくれる姿を想像したりすることがある。
犬との別れがつらいと感じる背景には、こうした生活習慣と密接に結びついた愛着がある。介護や通院を長期間続けていた場合には、看病が終わったことによる喪失感も重なる。
猫との別れがつらい理由
猫との暮らしでは、同じ部屋で過ごす時間や、近くで眠る姿、気ままに寄り添ってくる行動などが日常の一部になる。
いつもいた場所に姿がない、寝床に触れても温もりがない、帰宅しても気配を感じない。こうした変化が、猫との別れを強く意識させることがある。
2024年にヒトと動物の関係学会誌に掲載された研究「猫を看取る経験の構造的把握」では、猫に関心を持つ48人へのインタビューを分析し、猫の看取り経験を複数のテーマに分類した。
研究では、猫の家族化、消えない悲嘆、悔いのない看取りと死の受容などが取り上げられている。猫との別れを経験した人の心理を理解するうえで、飼い主と猫の関係性や看取りの過程が重要であることを示す研究だ。
犬と猫の悲しみに優劣はあるのか
犬のほうが悲しい、猫のほうが立ち直りにくいといった単純な比較はできない。犬と猫の別れによる悲嘆の強さを直接比較し、どちらが深刻かを決定できる十分な根拠はない。
重要なのは、動物の種類よりも、そのペットが飼い主の生活の中でどのような存在だったかという点だ。
2026年の精神医学の論考、ペットフード協会の全国調査、東京都の公式解説、猫の看取りに関する研究を整理すると、次のような関係が見えてくる。
| 資料・主体 | 対象・時期 | 確認できる事実 | 読み解くポイント |
|---|---|---|---|
| ペットフード協会 | 2025年全国犬猫飼育実態調査 | 別れがつらいとの回答は犬26.4%、猫20.9% | 別れへの不安は飼育をためらう具体的な理由になっている |
| 坂口幸弘氏の論考 | 精神医学68巻9号・2026年9月 | 愛着、突然の死、安楽死の葛藤などを悲嘆の関連要因として整理 | 悲しみの深さは複数の心理的要因に左右される |
| ヒトと動物の関係学会誌 | 2024年・猫の看取り経験者48人 | 猫の家族化、消えない悲嘆、死の受容などを分析 | 猫との関係や看取りの経験には個人差がある |
| 東京都動物愛護相談センター | ペットロスに関する公式解説 | 身体的・心理的な反応や家族間の温度差を説明 | 本人だけでなく家族や周囲の理解も大切 |
| 第一アイペット | 2023年・ペットロス調査1,000人 | 約6割がペットロスを経験し、約7割が機会があれば再び飼いたいと回答 | 深い悲しみと再び飼いたい気持ちは両立する |
これらの資料は調査方法や対象者が異なるため、単純に数字を並べて優劣を判断することはできない。ただし、ペットロスが犬や猫の種類だけで決まるものではなく、愛着、生活、看取り、周囲の支援などと結びついていることは読み取れる。
【自責の念と罪悪感】ペットロスで自分を責めてしまう理由と家族の温度差
ペットを亡くした人が繰り返し考えてしまうのが、「もっと何かできたのではないか」という後悔だ。
「もっと早く病院に連れて行けばよかった」という後悔
東京都動物愛護相談センターの解説では、ペットロスの悲嘆反応として、悲しみや怒りだけでなく、自分を責める気持ちや孤独感、睡眠や食欲の変化などが紹介されている。
特にペットを家族や子どものような存在として大切にしていた人は、守ってあげられなかったという罪悪感を抱きやすい。
例えば、次のような考えが頭から離れなくなることがある。
- 病気の兆候にもっと早く気づけたのではないか。
- 別の動物病院に連れて行けば助かったのではないか。
- 仕事よりも一緒にいる時間を優先すべきだったのではないか。
- 最期の治療や安楽死の判断は正しかったのか。
- 苦しんでいることに気づかず、寂しい思いをさせたのではないか。
第一アイペットが2023年に実施した調査では、ペットを亡くした経験があり、現在はペットと暮らしていない1,000人のうち、約6割が亡くなったペットについて後悔していることがあると回答した。
後悔の内容には、もっと何かできたのではないかという思いや、一緒に過ごす時間、治療方針、安楽死の選択などが含まれている。
一方、後悔なく別れられた人に理由を尋ねると、66.5%が十分に一緒の時間を過ごせたことを挙げている。
こうした結果からも、ペットとの生活で過ごした時間や、日々の関わりが飼い主の心に大きな意味を持つことが分かる。
家族の意見が違うと、悲しみを共有できなくなる
ペットロスは、家族全員が同じように経験するとは限らない。
長く介護を担当していた人と、日中は仕事や学校で家を空けていた人では、ペットとの関わり方が異なる。そのため、亡くなったあとの悲しみの表れ方にも差が生まれる。
さらに問題になりやすいのが、新しいペットを迎えるかどうかという意見の違いだ。
- 一人は、また犬や猫と暮らしたいと考えている。
- 別の家族は、もう二度と同じ悲しみを経験したくないと思っている。
- 子どもは新しいペットを希望しているが、親はまだ気持ちの整理がついていない。
- 家族の一人は思い出を残したいが、別の人は遺品を片付けたいと考えている。
東京都動物愛護相談センターも、家族間で悲しみの度合いに温度差が生じたり、次のペットを迎えることについて意見が食い違ったりする問題を取り上げている。
このような状況で、誰か一人の意見だけで次のペットを迎えることは望ましくない。特に家族全員が世話をする環境では、悲しみの深さを競うのではなく、それぞれの気持ちを尊重することが必要だ。
【ペットロスから再び飼う心理】新しいペットを迎えるタイミングはいつ?
もう飼わないと思っていた人が、時間の経過とともに再びペットを迎えたいと思うこともある。これは、亡くなったペットへの愛情が薄れたからではない。
再び飼いたいと思うのは、愛情をもう一度注ぎたいから
ペットとの生活には、日常に規則正しいリズムをつくることや、誰かを世話する喜び、無条件に近い愛着を感じる時間などがある。
一度その生活を経験した人は、別れの悲しみを知っていても、動物と暮らすことの喜びを忘れない場合がある。
第一アイペットの2023年調査では、ペットを亡くした悲しみを経験した人でも、約7割が機会があれば再びペットと一緒に暮らしてみたいと回答した。
この結果は、ペットロスと再び飼いたいという気持ちが必ずしも矛盾しないことを示している。
新しいペットを迎えることは、亡くなったペットを忘れる行為ではない。以前のペットとの関係を大切にしながら、別の命との新しい関係を築く選択でもある。
新しいペットを迎えるまでに決まった期間はない
ペットを亡くしてから何か月待てばよいのか、何年経てば新しいペットを迎えてよいのかという疑問に、医学的・心理学的に共通する正解はない。
東京都動物愛護相談センターの公式解説でも、次のペットを迎える時期は個々人のペースでよいとしている。
重要なのは、経過した日数ではなく、どのような気持ちで新しいペットと向き合えるかだ。
例えば、次のような状態なら、迎える準備について具体的に考え始めてもよい。
- 亡くなったペットとの思い出を大切にしながら、新しい命にも関心を持てる。
- 新しいペットを亡くなった子の代わりとして考えていない。
- 新しい子には新しい性格や個性があることを理解している。
- 以前の飼育で経験した後悔を、次の飼育環境の改善に生かせる。
- 家族の理解があり、世話や費用の分担について話し合えている。
まだ迎えないほうがよいと考えられるケース
反対に、次のような状況では、すぐに迎えることを急がないほうがよい。
- 亡くなったペットと同じ性格や行動を新しい子に求めてしまう。
- 悲しみから逃れることだけを目的に、新しいペットを迎えようとしている。
- 家族の一人が強く反対している。
- 十分な世話をする時間や経済的な余裕がない。
- 以前のペットの介護や看取りで受けた精神的な負担が大きく、まだ整理できていない。
特に気をつけたいのが、亡くなったペットとの比較だ。
以前の犬や猫が人懐っこかったからといって、新しい子も同じ性格とは限らない。食事の好み、遊び方、人との距離感、生活習慣などは一匹ずつ異なる。
2024年の猫の看取り研究でも、悲嘆からの回復を考えるうえで、新たに迎える別の個性を尊重することの重要性が論じられている。
新しいペットは、亡くなった子の代役ではない。それぞれの個性を持った別の家族として迎えられるかどうかが、大切な判断基準になる。
【ペットロスの乗り越え方】専門家への相談と今日からできる心のケア
ペットロスを乗り越えるとは、亡くなったペットを忘れることではない。悲しみを抱えながらも、自分の生活を少しずつ取り戻していくことだ。
悲しみを無理に抑え込まない
最初に意識したいのは、悲しむことを自分に許すことだ。
泣いてしまう、写真を見ると苦しくなる、以前の生活を思い出して何も手につかなくなる。こうした反応を無理に止める必要はない。
第一アイペットの調査では、ペットを亡くした悲しみが和らぐきっかけとして、43.5%が「ペットを悼む気持ちを肯定する」を選んでいる。
悲しみを否定せず、亡くなったペットを大切に思う気持ちを認めることは、心を整理するための一つの方法になる。
思い出を残す方法を自分で決める
写真や動画、おもちゃ、首輪、食器など、亡くなったペットに関する品物をいつ片付けるかは本人が決めてよい。
すぐに整理できる人もいれば、長期間そのままにしておきたい人もいる。どちらが正しいということはない。
東京都動物愛護相談センターも、ペットに関連する物を無理に片付ける必要はないと説明している。
また、葬儀や火葬、供養、メモリアルグッズなどを通して別れの時間をつくることも、気持ちに区切りをつける助けになる場合がある。
話を聞いてくれる人を見つける
ペットロスを経験した人にとって、自分の気持ちを理解してくれる相手の存在は大きい。
家族や友人に話すことが難しければ、同じようにペットを亡くした経験がある人や、グリーフケアに詳しい相談員に話を聞いてもらう方法もある。
大切なのは、悲しみを軽視せず、無理に前向きな言葉を押しつけない相手を選ぶことだ。
専門家に相談したほうがよい状態とは
悲しみは自然な反応だが、長期間にわたって日常生活に深刻な影響が出ている場合には、専門家のサポートを検討したい。
特に、次のような状態が続いている場合は注意が必要だ。
- 眠れない、食べられないなどの身体的な不調が続く。
- 仕事や家事、学校などの日常生活に大きな支障が出ている。
- 強い自責の念や罪悪感から抜け出せない。
- 人と会うことができず、孤立した状態が続いている。
- 気分の落ち込みや無気力が強く、生活を維持することが難しい。
相談先としては、かかりつけの獣医師、グリーフケアに対応する動物病院、ペットロス専門のカウンセラー、心療内科や精神科などが考えられる。
例えば、JASMINEどうぶつ総合医療センターでは、動物と飼い主双方のグリーフケアに取り組み、ペットロスや治療選択に関する個別カウンセリングを案内している。
東京都動物愛護相談センターはどのような相談先なのか
「東京都動物愛護相談センター ペットロス」と検索する人もいるが、相談先の役割を理解しておくことが大切だ。
東京都動物愛護相談センターの公式ウェブサイトには、ペットロスの悲嘆反応や心理過程、家族間の意見の違いなどを解説した情報が掲載されている。
一方、同センターの相談窓口は、ペットの飼育に関する一般的な相談や、犬猫を飼い続けることが難しくなった場合の相談、新しい飼い主探しなどを主な対象としている。ペットロス専門の心理カウンセリング窓口とは異なる。
そのため、悲しみや自責の念について専門的な支援を受けたい場合は、グリーフケアに対応する相談機関や医療機関を選ぶほうが適切だ。
また、食事や睡眠が取れないほど心身の状態が悪化している場合には、ペットロスだからと一人で抱え込まず、医療機関への相談を優先したい。
【ペットロスでもう飼わない選択】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:ペットロスでもう飼わないと思うのはおかしいことですか?
A1:おかしいことではない。大切なペットとの別れによる悲しみや、再び同じ経験をすることへの恐怖、飼育責任への不安などから、もう飼わないと考えるのは自然な選択の一つだ。無理に気持ちを変える必要はない。
Q2:ペットロスから何か月後なら新しいペットを迎えてもよいですか?
A2:決まった期間はない。大切なのは、亡くなったペットの代わりとしてではなく、新しい個性を持つ命として迎えられるかどうかだ。家族の気持ちや経済面、飼育環境も確認して判断したい。
Q3:新しいペットを飼うと、亡くなったペットへの裏切りになりますか?
A3:裏切りにはならない。亡くなったペットとの思い出や愛情と、新しいペットへの愛情は別々に大切にできる。再び動物と暮らすことは、以前のペットを忘れることではない。
まとめ:ペットロスでもう飼わない選択も、再び迎える選択も間違いではない
ペットロスでもう飼わないと思う背景には、悲しみだけでなく、愛着の強さ、突然の別れ、看取りの後悔、経済的な負担、年齢、家族の意見など、さまざまな要因がある。
2025年のペットフード協会の調査では、「別れがつらいから」と答えた人は犬26.4%、猫20.9%だった。2026年9月の『精神医学』68巻9号では、ペットへの愛着や突然の死、安楽死の選択に伴う葛藤などが悲嘆に関係する要因として整理されている。
一方、第一アイペットの2023年調査では、ペットを亡くした悲しみを経験した人の約7割が、機会があれば再びペットと暮らしたいと回答した。深い悲しみを経験したからこそ、もう一度命と向き合いたいと考える人もいる。
【プロの結論】大切なのは、飼うかどうかではなく、自分の気持ちと向き合うこと
ペットをもう飼わないという選択は、亡くなったペットへの愛情を否定するものではない。再び飼いたいという気持ちも、以前のペットを忘れたことを意味しない。
判断する際には、次の3点を大切にしたい。
- 気持ち:悲しみを無理に消そうとせず、自分が本当に望んでいることを考える。
- 環境:時間、費用、健康状態、年齢、家族の協力など、最後まで世話を続けられる条件を確認する。
- 新しい関係:再び迎える場合は、亡くなったペットの代わりではなく、別の個性を持つ家族として尊重する。
ペットとの別れは、飼い主にとって人生の大きな喪失体験になり得る。すぐに立ち直る必要も、誰かと同じ時期に新しいペットを迎える必要もない。
もう飼わないと決めてもいい。いつかまた一緒に暮らしたいと思ってもいい。大切なのは、周囲の価値観や世間の期待ではなく、自分と家族が納得できる形で、命との向き合い方を選ぶことだ。
亡くなったペットと過ごした時間は、新しいペットを迎えるかどうかにかかわらず、これからも大切な思い出として残り続ける。
主な確認資料: 医学書院『精神医学』68巻9号、ペットフード協会「2025年全国犬猫飼育実態調査」、東京都動物愛護相談センター、ヒトと動物の関係学会誌、第一アイペットの2023年調査、クロス・マーケティングの2024年調査。