【最終決戦でとろサーモンが4票を獲得】3位から逆転した勝因とは?
ファーストラウンドを3位で通過したとろサーモンが、最終決戦で優勝を決めた。最終投票の内訳は、とろサーモンが4票、和牛が3票、ミキが0票。わずか1票差で王者が決まる緊迫した結果だった。
最終決戦の投票結果

- とろサーモン:4票
- 渡辺正行
- 中川家・礼二
- 春風亭小朝
- 博多大吉
- 和牛:3票
- オール巨人
- 松本人志
- 上沼恵美子
- ミキ:0票
この結果からもわかるように、ファーストラウンドで最高点を獲得した和牛が、そのまま優勝するとは限らなかった。最終決戦では、それぞれが披露した新たな漫才を見て、審査員が改めて優勝者を選んだのである。
3組が披露した最終決戦の漫才
公式決勝リポートによると、最終決戦はとろサーモンが最初に登場。久保田かずのぶのふてぶてしさを生かした掛け合いで会場を盛り上げた。
続くミキは「映画」をテーマにした漫才を披露。昂生と亜生の兄弟ならではのテンポの速い掛け合いで、先輩コンビ2組に挑んだ。
最後の和牛は、旅館の客と女将という設定で漫才を展開。水田信二と川西賢志郎の緻密なやり取りが、会場の笑いを引き出した。
3組とも高い完成度を見せたため、審査員にとっても難しい選択だった。公式リポートには、オール巨人の「めちゃめちゃ難しい」、渡辺正行の「厳しい。彼らの人生かかってる」というコメントが記録されている。
とろサーモンの勝因は「つかみ」と独特の掛け合い
優勝の決め手を考えるうえで注目したいのが、博多大吉の評価だ。大吉は優勝したとろサーモンについて、次のように称賛した。
「つかみのスピードがピカイチだった」
漫才における「つかみ」は、観客をネタの世界へ引き込む最初の重要な部分だ。最終決戦のように3組が連続して漫才を披露する状況では、短い時間で観客の興味をつかみ、笑いの流れを作れるかどうかが大きな意味を持つ。
とろサーモンの強みは、久保田の個性的なキャラクターと村田秀亮の落ち着いた受けが生む独特のバランスにあった。久保田の予測しにくい言動を村田が受け止めることで、2人の間に独自のテンポが生まれる。
さらに、ファーストラウンドから最終決戦まで、持ち味を大きく変えずに勝負できたことも評価の一因と考えられる。7人中4人がとろサーモンを選んだという結果は、審査員の過半数が最終決戦の漫才を最も高く評価したことを示している。
最終決戦後、村田は「全力を出し切った」と振り返った。長い挑戦を続けてきた2人にとって、この優勝は単なる賞レースの勝利以上の意味を持つ瞬間だった。
【とろサーモンのラストイヤー】スーパーマラドーナの敗者復活も見逃せない
M-1グランプリ2017を語るうえで欠かせないのが、とろサーモンのラストイヤーという背景だ。
結成15年目に訪れた最後の挑戦
とろサーモンは村田秀亮と久保田かずのぶによるお笑いコンビ。吉本興業の公式プロフィールによると、結成は2002年7月。2017年大会は結成15年目に当たり、当時の出場資格である「結成15年以内」の最後の年だった。
大会公式リポートは、2人が準決勝に9回進出しながら、2017年に初めて決勝へ進出したことを紹介している。長く準決勝の壁に阻まれてきたコンビが、出場資格を失う直前に初めて決勝の舞台へたどり着いた。
さらに公式大会サイトの紹介では、とろサーモンは史上最多となる10大会連続の敗者復活戦出場経験を持つコンビとしても取り上げられている。
2017年の決勝リポートでは、ラストイヤーであることに触れながら、渡辺正行が2人の漫才を評価した場面も記録されている。単に経験豊富なコンビというだけではなく、最後の挑戦に懸ける思いが注目されていた。
優勝会見で語った長い下積み時代
優勝会見で村田は、売れない時代が長かったことに触れ、優勝したことをまだ受け入れられない心境を明かした。
一方、久保田は、長い間M-1を憎みながら漫才をしていた部分もあったと振り返り、優勝によってその思いを回収できたという趣旨の言葉を残している。
この発言は、賞レースに挑戦し続ける芸人にとって、M-1が単なるテレビ番組やコンテストではなく、キャリアそのものに関わる存在だったことを感じさせる。
敗者復活戦から決勝へ進んだスーパーマラドーナ
もう一つのドラマが、スーパーマラドーナの敗者復活だ。
2017年の決勝は、準決勝を勝ち抜いた9組に加え、敗者復活戦を制した1組が出場する形式だった。敗者復活戦では、アインシュタイン、天竺鼠、ハライチ、スーパーマラドーナの4組が最後まで残り、最終的に決勝進出を決めたのがスーパーマラドーナだった。
田中の独特なキャラクターを生かした合コンをテーマにした漫才を披露したが、ファーストラウンドでは640点。かまいたちと同点ながら、公式の最終順位では5位となった。
優勝したとろサーモンとは対照的に、敗者復活から勝ち上がった勢いを決勝でどこまで結果につなげられるかが問われた大会でもあった。
【M-1歴代優勝者と比較】2017年のとろサーモン優勝が持つ意味
M-1グランプリ2017の位置づけを理解するには、前後の大会の優勝者と比較するとわかりやすい。
- 2016年:銀シャリ
- 2017年:とろサーモン
- 2018年:霜降り明星
2016年は銀シャリが優勝。和牛は469点で2位となり、優勝まであと1点に迫っていた。
その翌年、和牛は再び決勝に進出し、今度は653点という最高得点を獲得する。しかし、最終決戦でとろサーモンに敗れ、2年連続で優勝を逃すことになった。
2018年には霜降り明星が優勝し、和牛は再び2位。和牛にとって2016年から2018年は、3年連続で優勝争いに絡みながら、最後の栄冠には届かなかった時期だった。
この流れを見ると、2017年の優勝はとろサーモン個人の成功だけではなく、和牛をはじめとする実力派コンビが競い合った時代を象徴する出来事でもある。
歴代大会と比較するときの注意点
過去の大会の点数を比較するときには、審査員の人数に注意したい。
2016年大会は審査員5人による500点満点方式だったのに対し、2017年は審査員7人による700点満点方式となっている。そのため、2016年の470点と2017年の653点を単純に比較して、後者の方が漫才の評価が高かったと判断することはできない。
また、M-1はファーストラウンドの合計点と最終決戦の投票という2段階の評価制度を採用している。歴代王者を比較する際には、得点だけでなく、審査方式や決勝の構成も踏まえる必要がある。
2017年大会の特徴は、まさにこの仕組みがドラマを生んだことだ。和牛が最高点を獲得しながら、とろサーモンが最終決戦で4票を獲得して優勝した。この結果は、M-1における「最も高い点数を取ったコンビ」と「最終的に優勝したコンビ」は必ずしも同じではないことを示している。
【M-1グランプリ2017】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:M-1グランプリ2017の優勝者は誰ですか?
とろサーモンです。村田秀亮と久保田かずのぶのコンビで、2017年12月3日の決勝戦において最終決戦4票を獲得し、13代目王者になりました。
Q2:和牛が653点で1位だったのに、なぜ優勝できなかったのですか?
653点はファーストラウンドの最高得点です。最終決戦では上位3組が改めて漫才を披露し、審査員が1票ずつ投票します。和牛は3票、とろサーモンは4票を獲得したため、とろサーモンの優勝となりました。
Q3:M-1グランプリ2017の審査員は誰ですか?
オール巨人、渡辺正行、中川家・礼二、春風亭小朝、博多大吉、松本人志、上沼恵美子の7人です。
Q4:スーパーマラドーナは敗者復活から決勝に進んだのですか?
はい。敗者復活戦を勝ち上がり、決勝10組の最後の1枠を獲得しました。ファーストラウンドでは640点を獲得し、最終順位は5位でした。
Q5:とろサーモンは2017年がラストイヤーだったのですか?
はい。2002年7月結成で、当時の出場資格は結成15年以内でした。2017年大会が最後の出場可能年に当たり、その年に初めて決勝へ進出して優勝しました。
まとめ:【プロの結論】M-1グランプリ2017は最終決戦が生んだ逆転劇
M-1グランプリ2017は、とろサーモンが結成15年目のラストイヤーに悲願の初優勝を達成した大会だった。
ファーストラウンドでは和牛が653点、ミキが650点、とろサーモンが645点。数字だけなら和牛が最も高く評価されていたが、最終決戦ではとろサーモンが4票を獲得し、3票の和牛を逆転した。
この大会を振り返る際に押さえておきたいポイントは3つある。
1. 得点と優勝は別の評価段階で決まる。 ファーストラウンドの得点は最終決戦への進出を決めるもので、優勝は最終投票によって決定する。
2. とろサーモンの勝利は長年の挑戦の集大成だった。 9回の準決勝進出を経て初の決勝進出を果たし、最後の出場機会で王者になった。
3. 和牛とミキも大会を象徴する存在だった。 650点を超える高得点を獲得し、最終決戦まで残ったことで、2017年大会の接戦を生み出した。
2026年に改めて映像や記録を振り返っても、2017年大会の魅力は色あせない。最高得点を獲得したコンビが優勝するとは限らないというM-1独特の緊張感、ラストイヤーに懸けた芸人の思い、そして最後の1票で決まる勝負の厳しさが凝縮されている。
とろサーモンの優勝は、漫才師が積み重ねてきた時間と、最後の舞台で実力を発揮することの意味を強く印象づけた。M-1の歴代大会を語るうえで、2017年は欠かすことのできない一戦である。