【2026年の観測データ】地震は本当に増えた?2,536回を過去と比較

目次

2026年の地震発生回数を客観的に判断するには、ニュースで報じられた大きな地震だけでなく、震度1以上の有感地震を継続的に集計する必要があります。

気象庁の震度データベースを基に集計した「くらしデータ」の2026年10月30日更新情報では、10月28日までの震度1以上の地震は2,536回でした。同じ期間における1996年以降の平均は2,625.3回です。

差は89.3回で、平均を約3.4%下回っています。つまり、全国規模で見れば2026年の地震回数は平年並みであり、統計上、異常な急増が起きているとは判断できません。同サイトの比較では、1996年からの31年間で7番目に多い水準です。

2026年10月28日までの震度別発生回数

最近地震が多い

注目したいのは、震度1や震度2の比較的小さな地震が大部分を占めていることです。震度別の内訳は次のとおりです。



2026年・震度1以上の合計

2,536回



同時期平均 2,625.3回
ほぼ平年並み

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出典:くらしデータによる気象庁震度データベースの集計。2026年10月28日まで。

内訳を見ると、震度1と震度2だけで2,244回となり、全体の約88.5%を占めます。一方、震度5弱以上は合計20回です。

ここから読み取れるのは、地震が発生している回数と、強い揺れに遭遇する危険性は同じ指標ではないということです。小さな地震が何百回増えても、それだけで巨大地震が迫っているとは判断できません。

過去との比較で見落としたくないポイント

2026年の数字だけを切り取ると、2,536回という数字は非常に多く感じられるかもしれません。しかし、地震は毎年発生しており、比較する期間や震度の基準をそろえなければ、正確な判断はできません。

例えば、2000年には年間17,672回という記録があります。ただし、これは年間の数字であり、2026年10月28日までの途中集計とは直接比較できません。重要なのは、同じ日付までの累計同士を比較することです。

なお、気象庁は令和8年熊本地震の活動が非常に活発なため、一部の地震や震度データが震度データベースにまだ反映されておらず、解析完了後に順次追加すると案内しています。したがって、2,536回という数値もデータの更新によって変わる可能性があります。

【令和8年熊本地震】7月28日のM7.1から続く余震活動の実態

2026年の地震活動を語るうえで外せないのが、7月28日に発生した令和8年熊本地震です。

気象庁によると、2026年7月28日16時27分、熊本県熊本地方を震源とするマグニチュード7.1の地震が発生しました。震源の深さは約15kmで、熊本県宇城市と氷川町では最大震度7を観測しています。

今回の名称は、気象庁が定めた「令和8年熊本地震」です。2016年4月に発生した「平成28年(2016年)熊本地震」とは別の地震活動であり、両者を混同しないことが大切です。

令和8年熊本地震の主な発生経過

7月28日の本震直後から、熊本県内では強い揺れを伴う地震が相次ぎました。

日時 発生した地震 最大震度 7月28日 16:27 熊本県熊本地方・M7.1 7 7月28日 16:29 熊本県熊本地方・M4.8 5弱 7月28日 17:08 熊本県天草・芦北地方・M6.1 5弱 7月28日 19:03 熊本県熊本地方・M4.2 5弱 7月29日 22:19 熊本県天草・芦北地方・M5.8 5弱 8月1日 21:47 熊本県熊本地方・M4.7 5弱

出典:気象庁「令和8年熊本地震ポータルサイト」。

地震調査研究推進本部の評価によると、7月28日16時から8月31日までに、最大震度1以上を観測した地震は735回に達しました。

この735回の内訳は、震度7が1回、震度5弱が5回、震度4が23回、震度3が71回です。大地震の後に地震活動が活発になっていることが、数字からも確認できます。

熊本地震の震源域では何が起きているのか

今回の地震活動域付近には、布田川断層帯と日奈久断層帯が存在します。

地震調査研究推進本部の評価では、M7.1の地震による震源断層は長さ約30~40km程度で、横ずれを主とする断層と推定されています。特に日奈久断層帯の高野-白旗区間や日奈久区間の北東部に沿って地震活動が分布しています。

また、GNSSによる観測では、熊本県八代市の千丁観測点が北東方向に約87cm移動するなど、広い範囲で地殻変動が確認されました。これは、地下の断層運動が地表付近にも大きな変化をもたらしたことを示しています。

余震はいつまで続くのか

気象庁の2026年9月24日の発表では、熊本県周辺では平常時より地震発生数が多い状態が当分続くとされています。

ただし、最大震度5弱程度以上の地震が発生する可能性は低くなっており、その発生頻度は「1か月に1回程度」に相当する状況を下回っています。

これは危険が完全になくなったという意味ではありません。気象庁は、強い揺れが発生した地域を含め、日本国内ではいつどこで規模の大きな地震が発生してもおかしくないとして、日頃からの地震・津波への備えを呼びかけています。

【地震が多く感じる理由】余震・群発地震・情報量の増加を整理

全国の発生回数がほぼ平年並みなのに、なぜ「最近地震が多い」と感じるのでしょうか。そこには、地震活動そのものの特徴と、私たちが情報に接する環境の変化が関係しています。

理由1:大地震後の余震が続いている

大きな地震が発生すると、その震源域や周辺では地下の力のつり合いが不安定になります。その状態を解消する過程で、周囲の岩盤がずれ、引き続き地震が発生すると考えられています。

これが余震活動です。

気象庁の解説では、本震後の余震は発生直後に多く、その後は時間の経過とともに減少する傾向があります。目安として、本震発生後1日目の余震回数を基準にすると、2日目は約半分、10日目は約10分の1になるという関係が紹介されています。

ただし、減少の速度は次第に緩やかになります。そのため、数週間、数か月と地震が続くこともあり、被災地では地震がいつまでも収まらないように感じられます。

理由2:群発地震と余震は違う

ニュースでよく見かける「群発地震」と「余震」は、似ているようで異なる現象です。



余震
本震があるタイプ

大きな本震が発生した後、震源域や周辺で比較的小さな地震が続く現象。一般に時間とともに発生回数が減少する。


群発地震
明瞭な本震がないタイプ

特定地域で多数の地震が発生し、明確な本震と余震の区別が難しい現象。活動が活発になったり弱まったりしながら続く。

地震調査研究推進本部によると、群発地震では本震・余震の区別がはっきりせず、活動の強弱を繰り返すことがあります。

代表例として知られるのが、1965年から数年間続いた長野県の松代群発地震です。この活動では有感地震が6万回を超え、最大規模はM5.4でした。

なお、発生中の地震活動が最終的にどのパターンに分類されるかは、活動が終わるまで判断できない場合があります。最初の地震を必ず本震と決めつけないことも、防災上の大切な視点です。

理由3:スマートフォンやニュースで地震情報に触れる機会が増えた

以前はテレビやラジオの速報を通して知ることが多かった地震情報も、現在はスマートフォンの緊急地震速報、ニュースアプリ、SNSなどを通して目にする機会が増えています。

震度1や震度2の地震でも、地域によってはニュース一覧や地震速報サービスに掲載されます。これにより、以前なら意識していなかった小さな地震まで認識するようになります。

さらに、熊本のように特定地域で地震が集中すると、全国的な地震回数が平年並みでも、地震速報を目にする頻度が高くなります。

つまり、地震が多いと感じる背景には、実際の局地的な地震活動と、情報を受け取る頻度の変化が重なっているのです。

【地震発生の仕組み】プレート境界・マグニチュード・震度の違い

日本で地震が頻繁に発生する根本的な理由は、複数のプレートが接する場所に位置していることです。2026年だけの特殊な現象ではなく、日本列島が持つ地質学的な特徴に関係しています。

プレート境界ではなぜ地震が発生するのか

地球の表面は、複数の巨大な岩盤であるプレートに覆われています。日本周辺では、主に太平洋プレートとフィリピン海プレートが陸側のプレートの下に沈み込んでいます。

プレートは年間数cm程度の速度で動いていますが、境界部分では摩擦によって動きが妨げられることがあります。その結果、岩盤にひずみが蓄積され、限界に達したときに急激なずれが発生します。

このずれによって地震波が発生し、地表まで伝わることで私たちは揺れを感じます。

日本周辺ではプレート境界型地震だけでなく、プレート内部や陸域の活断層による地震も発生します。したがって、海溝付近だけでなく内陸部でも大きな地震への警戒が必要です。

マグニチュードと震度の違いを正しく理解する

地震速報を見るときに混同しやすいのが、マグニチュードと震度です。



M7.1


マグニチュード
地震そのものの規模を示す数値。基本的に1つの地震に対して1つの値が定まる。


震度7


震度
特定の場所で観測された揺れの強さ。同じ地震でも、観測地点によって数値が異なる。

例えば、熊本でM7.1の地震が発生した場合、震源に近い地域では震度7を観測しても、遠く離れた地域では震度3や震度1になることがあります。

また、震源からの距離が同程度でも、地盤が軟らかい場所では揺れが大きくなる場合があります。建物の高層階では、地表よりも揺れが強く感じられることもあります。

気象庁によると、マグニチュードが1大きくなると、地震のエネルギーは約32倍になります。M6とM7の差は単純な数字の1の違いではありません。

気象庁の震度データベースはどう活用する?

地震が本当に増えているのかを自分で調べたい場合、便利なのが気象庁の「震度データベース検索」です。

このデータベースでは、1919年から2日前までの震度1以上の地震を検索できます。発生日時、最大震度、震央地名、マグニチュード、震源の深さなどを指定でき、過去の地震活動を確認できます。

特定の地域で地震が増えているかを調べる場合は、全国の合計だけを見るのではなく、震央地名や期間を絞って比較することが重要です。

また、地震調査研究推進本部では毎月の地震活動評価を公表しており、日本地震学会では地震予知や地震に関する噂について科学的な解説を掲載しています。発生回数を調べる資料と、地震の仕組みを理解する資料を使い分けると、情報の精度が高まります。

【今後の地震活動】大地震の前兆や地震予知は本当に可能なのか

地震が続くと、「次はどこで大きな地震が起きるのか」「今の小さな地震は大地震の前兆なのか」という疑問が生まれます。

特にSNSでは、地震の回数や雲の形、動物の異常行動などを結び付けた情報が拡散することがあります。しかし、地震の前兆とされる現象を見ただけで、大地震の発生を確実に予測できるわけではありません。

地震の前兆から発生日を特定できる?

現在の科学では、地震の発生日時・場所・規模を高い精度で事前に特定することは困難です。

地震調査研究推進本部は、地震予知を「いつ、どこで、どれくらいの規模の地震が起こるか」を科学的根拠に基づいて予測することと定義していますが、現在の科学技術では大地震に限っても一般的に予知は難しいと説明しています。

日本地震学会も2026年6月に改訂したFAQで、発生日を指定する地震予測には科学的根拠が乏しいと解説しています。特定の日付を挙げて「必ず大地震が起きる」と断言する情報には注意が必要です。

地震活動の変化を観測することはできる

一方、地震を完全に予知できないからといって、地震活動を科学的に評価できないわけではありません。

地震調査研究では、地震計やGNSSなどの観測データを使って、地殻変動、地震の発生頻度、震源の分布、プレート境界の状態などを分析しています。

例えば、南海トラフ沿いでは、プレート境界面のゆっくりとしたすべりなど、プレート間の固着状態の変化を示す現象を観測できれば、地震発生の可能性が平常時より相対的に高まっていると評価できる場合があります。

これは「何月何日に地震が起きる」という予言とは異なります。観測された現象を基に、危険性の変化を確率的に評価するものです。

2026年後半からの地震活動の見通し

2026年11月1日時点で確認できる気象庁の令和8年熊本地震ポータルサイトは、10月30日に更新されています。

最新の防災上の見通しとして掲載されている9月24日の発表では、熊本県周辺で平常時より地震発生数の多い状態が当分続くとされています。一方、最大震度5弱程度以上の地震の発生頻度は、1か月に1回程度に相当する状況を下回っています。

この評価は熊本の一連の地震活動についてのものであり、日本全国のすべての地域に同じ予測を適用できるわけではありません。

また、全国の2026年の地震回数が平年並みだからといって、今後の大地震の発生確率が低下したという意味でもありません。全国平均と特定の活断層・プレート境界のリスクは、それぞれ別に評価する必要があります。

【プロの結論】地震が平年並みでも防災対策を緩めてはいけない

今回のデータから見えてくるのは、全国の地震回数と、個々の地域で直面する危険性には大きな違いがあるということです。

2026年10月28日までの全国の震度1以上の地震は2,536回で、同時期平均の2,625.3回を下回っています。しかし、熊本ではM7.1の地震を起点とする活発な地震活動が続き、地域によっては引き続き注意が必要です。

「全国の数字が平年並みだから安心」「地震が続いているから、もうすぐ巨大地震が起きる」という両極端な判断は、どちらも適切ではありません。

今日から確認しておきたい5つの防災対策




1. 家具・家電の転倒防止

本棚、食器棚、冷蔵庫などを固定する。寝室や出入口付近には倒れやすい家具を置かない。



2. 水・食料・生活用品の備蓄

最低3日分の水と食料を確保し、可能ならさらに余裕を持たせる。常備薬、衛生用品、モバイルバッテリーも確認する。



3. 避難場所と避難経路の確認

自治体のハザードマップで、地震・津波・土砂災害の危険性を調べる。自宅だけでなく、職場や学校周辺も確認する。



4. 家族との連絡方法を決める

災害用伝言ダイヤル171などを利用した安否確認方法や、集合場所を事前に決めておく。



5. 正確な地震情報を確認する

気象庁、自治体、NHKなどの公式情報を優先する。SNSの未確認情報や日付を指定した地震予言を鵜呑みにしない。

首相官邸の防災情報でも、家具の固定、最低3日分の水・食料の備蓄、非常用持ち出しバッグの準備などが推奨されています。特別な防災用品を一度にそろえるより、まず自宅でできる対策から始めることが現実的です。

また、大地震後の余震が続いている地域では、損傷した建物やブロック塀、崖などに近づかないことも大切です。強い揺れによって建物や地盤の状態が変化している可能性があるためです。

【最近地震が多い】に関するよくある質問(FAQ)

Q1:2026年は本当に地震が多いのですか?
A1:全国の震度1以上の地震は、2026年10月28日までに2,536回です。同時期平均の2,625.3回を下回っており、全国的にはほぼ平年並みです。ただし、熊本県周辺など一部地域では活発な地震活動が続いています。

Q2:令和8年熊本地震の余震はまだ続いていますか?
A2:はい。気象庁は2026年9月24日時点で、熊本県周辺では平常時より地震発生数の多い状態が当分続くとしています。大きな揺れの可能性が低下していても、引き続き注意が必要です。

Q3:地震が頻発しているのは大地震の前兆ですか?
A3:地震の回数が増えたという事実だけで、大地震の前兆とは判断できません。特定の日付や時間を指定する地震予知も、現在の科学では確立されていません。地震活動の変化は公的な観測データに基づいて判断する必要があります。

Q4:震度とマグニチュードはどちらが重要ですか?
A4:どちらも重要ですが、意味が違います。マグニチュードは地震そのものの規模、震度は各地点で感じる揺れの強さです。実際の被害や避難行動を考えるときは、地域ごとの震度や津波情報も確認してください。

Q5:地震が多いときは何を最優先で準備すればよいですか?
A5:まず家具の転倒防止、水・食料の最低3日分の備蓄、避難場所の確認を優先してください。さらに家族との連絡方法を決め、停電時にも情報を得られるようラジオやモバイルバッテリーを準備すると安心です。

まとめ:2026年の地震活動を正しく理解し、日常の備えを続けよう

2026年10月28日までの震度1以上の地震は2,536回。同時期平均の2,625.3回と比較すると、全国的には地震が異常に増加している状況ではありません。

一方、7月28日に発生した令和8年熊本地震ではM7.1、最大震度7を観測し、その後も熊本県周辺で活発な地震活動が続いています。全国平均の数字だけでは、こうした地域ごとのリスクを把握できません。

また、余震と群発地震は異なる現象であり、地震の発生回数が増えたからといって、それが巨大地震の前兆になるわけでもありません。地震予知には科学的な限界があり、特定の日付を指定する情報には慎重な判断が必要です。

大切なのは、地震が増えたかどうかだけに注目するのではなく、自分の住む地域の地震活動と災害リスクを把握することです。

気象庁の震度データベースや地震調査研究推進本部の評価を定期的に確認し、家具の固定や備蓄、避難経路の確認を進めておきましょう。大きな地震はいつ発生するか分からないからこそ、平穏な日常のうちに備えを整えておくことが、自分と家族の命を守る最も確実な行動です。


主な参考資料:気象庁「震度データベース検索」「令和8年熊本地震ポータルサイト」「大地震後の地震活動について」、地震調査研究推進本部「2026年の主な地震活動の評価」「地震に関するFAQ」、公益社団法人日本地震学会「地震の噂」、首相官邸「災害への備え」。統計基準日:2026年10月28日。熊本地震の公式情報確認日:2026年10月30日。