【2023年ドラフト】指名漏れとなった選手一覧とドラフト会議の結果
2023年のプロ野球ドラフト会議は、12球団が参加し、合計122人が指名された。内訳は次のとおりだ。
- 支配下指名:72人
- 育成指名:50人
- 合計:122人
一球速報.comの指名結果集計によると、指名された122人の所属カテゴリーは、高校生50人、大学生35人、社会人14人、独立リーグ23人だった。
一方、プロ志望届を提出しながら指名されなかった選手も少なくない。日本高等学校野球連盟の2023年提出者一覧には高校生139人が掲載されており、大学生についても177人の提出者が記録されている。
高校生の主な指名漏れ選手

2023年10月26日のドラフト会議で注目された高校生は以下のとおり。
- 真鍋慧(広陵高校・内野手)
- 東恩納蒼(沖縄尚学高校・投手)
- 仁田陽翔(仙台育英高校・投手)
- 森田大翔(履正社高校・内野手)
- 黒木陽琉(神村学園高校・投手)
- ハッブス大起(東北高校・投手)
- 小野勝利(花咲徳栄高校・内野手)
- 篠崎国忠(修徳高校・投手)
特に真鍋、東恩納、仁田、森田は、甲子園や高校日本代表での実績もあり、ドラフト前から注目されていた選手だった。
大学生の主な指名漏れ選手
大学野球では、東京六大学や関西学生野球などで実績を残した選手が指名漏れとなった。
- 熊田任洋(早稲田大学・内野手)
- 蒔田稔(明治大学・投手)
- 有馬諒(関西大学・捕手)
- 池田陽佑(立教大学・投手)
- 尾崎完太(法政大学・投手)
- 友田佑卓(日本大学・捕手)
- 加藤孝太郎(早稲田大学・投手)
- 木村仁(九州共立大学・投手)
- 松浦佑星(日本体育大学・内野手)
大学日本代表に選出された熊田や蒔田、有馬らも名前を呼ばれなかったことは、当時のドラフトの大きな話題だった。
社会人の主な指名漏れ選手
社会人野球でも、実績を持つ選手が指名を逃した。
- 平元銀次郎(日本通運・投手)
- 竹田祐(三菱重工West・投手)
- 古屋敷匠真(セガサミー・投手)
- 粂直輝(東芝・投手)
- 相羽寛太(ヤマハ・内野手)
- 武田登生(日本新薬・内野手)
- 山本ダンテ武蔵(パナソニック・外野手)
社会人選手の場合、高校生や大学生とは異なり、すでに企業チームで実戦経験を積んでいる。即戦力として期待される一方、球団が求めるポジションや選手構成との兼ね合いも指名に影響する。
なお、社会人野球の選手は高校生・大学生のようなプロ野球志望届提出制度の対象ではない。
【2026年現在】真鍋慧・東恩納蒼・熊田任洋ら7人の進路と成績
2023年の指名漏れ選手を振り返るうえで、特に注目したいのが、その後の成長と所属先の変化だ。
指名漏れ後に大学へ進んだ選手もいれば、社会人野球を選び、企業チームでプロ入りを目指している選手もいる。
1.真鍋慧|大阪商業大学で長距離打者として成長
広陵高校時代に高校通算62本塁打を記録し、「広陵のボンズ」の異名を持っていた真鍋慧。
2023年のドラフトでは、上位指名を希望していたことも注目された。真鍋は3位までに指名されなければ大学へ進学する意向を示しており、実際に指名がなかったため、大学進学を選択した。
2023年10月には大阪商業大学への進学が報じられ、2024年から大商大の一員として大学野球に取り組んでいる。
2026年現在は3年生。大学では打撃面で結果を残し、複数回のベストナインを獲得している。
特に2026年秋季の関西六大学野球では、10試合で打率.395、15安打、2本塁打、11打点を記録。一塁手部門のベストナインにも選出された。
高校時代から評価されていた長打力だけでなく、大学野球で継続して結果を残している点が大きい。
真鍋にとって2027年は大学卒業を控える重要なシーズンとなる。4年後の再挑戦という当初の目標に向け、今後の打撃成績が注目される。
2.東恩納蒼|中央大学で投手として再挑戦
沖縄尚学高校の東恩納蒼は、2023年夏の甲子園でチームをベスト8に導いた右腕だ。
沖縄大会では47回1/3連続無失点を記録。U-18日本代表にも選ばれ、ワールドカップのプエルトリコ戦では5回無安打無失点を達成した。参考記録ながら完全試合に相当する内容だった。
最速147キロの直球と制球力を武器に注目されたが、2023年のドラフトでは指名されなかった。
その後、中央大学へ進学。2026年現在も中央大学の投手としてプレーしている。
2026年のリーグ戦成績は以下のとおり。
- 登板:18試合
- 先発:11試合
- 投球回:77回
- 防御率:3.86
- 奪三振:65
2025年は登板機会が限られていたが、2026年には登板数と投球回を増やし、実戦経験を積んでいる。
高校時代のような安定した制球力に加え、大学野球の打者を相手に長いイニングを投げられるかが今後の課題となる。
2027年のドラフトを見据えた成長に期待が集まる選手の一人だ。
3.熊田任洋|トヨタ自動車で社会人野球の中心選手へ
早稲田大学の熊田任洋は、2023年の大学日本代表にも選出された内野手だ。
東邦高校時代には選抜大会優勝を経験。早稲田大学では1年春からリーグ戦に出場し、4年春には遊撃手としてベストナインを獲得した。
2023年ドラフトでは指名されなかったが、大学卒業後はトヨタ自動車に入社した。
2026年現在はトヨタ自動車の内野手としてプレー。2026年の愛知・名古屋アジア競技大会では日本代表の一員となり、銀メダルを獲得している。
社会人野球での経験を積みながら、国際大会でも実績を残している点は見逃せない。
指名漏れがキャリアの終わりではなく、次の舞台で評価を高める機会になった好例といえる。
4.仁田陽翔|立正大学で4年後のプロ入りを目指す
仙台育英高校の仁田陽翔は、最速151キロを記録した左腕投手だ。
高校時代には3度の甲子園出場を経験。2023年ドラフトでは指名されなかったが、その後、立正大学への進学を決めた。
2024年から東都大学野球リーグでプレーし、2026年現在は3年生となっている。
2025年には48イニングを投げ、防御率2.438を記録。2026年は登板機会がさらに増え、90回1/3を投げて82奪三振を記録した。
一方、防御率は5.181となっており、与四球も48個。投球内容には改善の余地が残る。
高校時代から持つ球威を生かしながら、制球力と試合を組み立てる能力を伸ばせるかが今後のポイントだ。
5.森田大翔|帝京大学で大学野球に挑戦
履正社高校の森田大翔は、2023年夏の甲子園で2本塁打を放った右打ちの内野手だ。
U-18日本代表にも選ばれ、打線の中軸を担うなど将来を期待されていた。
ドラフト指名漏れ後は関東の大学へ進学し、現在は帝京大学でプレーしている。
2025年のリーグ戦では打率.396、4本塁打を記録。大学2年目に好成績を残した。
一方、2026年は打率.186、2本塁打となっており、前年から成績を落としている。
長打力という武器を維持しながら、安定して打率を残せるかが今後の課題となる。
6.蒔田稔|JFE東日本で社会人野球を選択
明治大学の蒔田稔は、最速150キロの直球を武器とする右腕だった。
大学通算11勝を記録し、大学日本代表にも選出された実績を持つ。
2023年ドラフトでは指名されず、卒業後はJFE東日本に入社。社会人野球の舞台へ進んだ。
2026年現在もJFE東日本の投手として活動している。
大学時代の経験を生かし、企業チームでさらに実戦経験を重ねる進路を選んだ選手だ。
7.有馬諒|ENEOSで捕手として評価を高める
関西大学の有馬諒は、攻守に優れた捕手として知られていた。
近江高校時代には甲子園に複数回出場。関西大学では主将を務め、大学日本代表にも選出された。
2023年ドラフトでは指名漏れとなったが、2024年に大学を卒業してENEOSへ入社した。
その後、U-23日本代表にも選ばれ、2026年にはアジア競技大会の日本代表としても活動している。
捕手というポジションは、打撃だけでなく、投手との連携や配球、守備面の総合力も評価される。有馬は社会人野球でその能力を磨いている。
主要選手の進路・現在の状況比較
| 選手 | 2023年の所属 | 指名漏れ後の進路 | 2026年現在 |
|---|---|---|---|
| 真鍋慧 | 広陵高校 | 大阪商業大学 | 3年生・ベストナイン |
| 東恩納蒼 | 沖縄尚学高校 | 中央大学 | 3年生・投手 |
| 仁田陽翔 | 仙台育英高校 | 立正大学 | 3年生・投手 |
| 森田大翔 | 履正社高校 | 帝京大学 | 3年生・内野手 |
| 熊田任洋 | 早稲田大学 | トヨタ自動車 | 社会人・日本代表 |
| 蒔田稔 | 明治大学 | JFE東日本 | 社会人・投手 |
| 有馬諒 | 関西大学 | ENEOS | 社会人・日本代表 |
この比較から分かるのは、指名漏れ後の進路が一つではないことだ。
大学進学組は4年間の成長期間を確保し、社会人野球組は企業チームで実戦経験を積む。それぞれ異なる環境でプロ入りへの可能性を探っている。
【なぜ指名されなかった?】2023年ドラフト指名漏れの理由と背景
実績のある選手が指名されなかった理由は、単純な実力不足だけでは説明できない。
プロ野球のドラフトでは、球団ごとの補強方針や選手層、将来性、即戦力としての適性など、複数の要素が検討される。
理由1:球団が求める選手像との違い
球団は単純に優秀な選手から順番に指名するわけではない。
例えば、同じ内野手でも、長距離打者を必要としている球団と、守備範囲や走力を重視する球団では評価が異なる。
投手についても、球速だけでなく、制球力、変化球、投球フォーム、先発と救援の適性などが検討材料になる。
東恩納については、2023年当時、身長172センチ、体重70キロという体格や平均球速を懸念するスカウトの見解が報道されていた。
ただし、高校時代の実績や投球内容が評価されていなかったわけではない。プロの打者を相手にしたときの将来性をどう判断するかという問題だった。
理由2:真鍋慧の「順位縛り」
2023年ドラフトで特に話題となったのが、真鍋慧の順位条件だ。
真鍋は、4位以下での指名なら大学へ進学する意向を示していた。
つまり、本人が希望するプロ入りの条件と、球団が提示できる指名順位が一致しなければ、入団には至らない。
高校通算62本塁打という実績があっても、球団側が3位以内で指名する判断をしなければ、指名漏れとなる。
この出来事は、ドラフトにおける順位と選手側の進路選択が密接に関係することを示した。
理由3:ドラフト全体の指名枠とチーム事情
2023年は支配下72人、育成50人の合計122人が指名された。
しかし、122人という数字は、すべての候補選手に対して十分な枠があることを意味しない。
球団には補強したいポジションがあり、支配下選手と育成選手の構成も異なる。
そのため、評価の高い選手でも、球団の編成方針によって指名に至らないことがある。
理由4:大学・社会人で成長する選択肢がある
高校生の場合、大学へ進学すれば身体づくりや技術の習得に時間を使える。
大学生の場合は、社会人野球に進むことで、より高いレベルの打者や投手との対戦経験を積める。
実際、2023年の指名漏れ組には大学進学や社会人野球を選択し、その後も競技を続けている選手がいる。
ドラフトで指名されなかったことと、プロで通用する可能性がなくなったことは同じではない。
【指名漏れ後の再挑戦】大学・社会人野球からプロ入りする道
ドラフト指名漏れを経験した選手には、複数の再挑戦ルートがある。
大学進学ルート
高校生にとって代表的なのが大学進学だ。
真鍋慧、東恩納蒼、仁田陽翔、森田大翔はいずれも大学進学を選択した。
大学野球では、リーグ戦や全国大会を通じて成績を残す機会がある。高校時代には不足していた体格や技術を伸ばし、大学卒業時に再びドラフトへ挑戦できる。
大学野球は高校野球より試合数や対戦相手の幅が広く、継続的な成長を示しやすい環境でもある。
社会人野球ルート
大学生にとっては、社会人野球も有力な進路だ。
熊田任洋、蒔田稔、有馬諒は、それぞれトヨタ自動車、JFE東日本、ENEOSに所属している。
社会人野球では都市対抗野球大会や社会人野球日本選手権大会など、注目度の高い大会がある。
全国大会で結果を残せば、プロのスカウトに再び評価される機会が生まれる。
独立リーグという選択肢
大学や社会人だけでなく、独立リーグでプロ入りを目指す方法もある。
独立リーグはNPBとは異なる環境だが、試合経験を積みながらスカウトにアピールできる。
高校や大学卒業後に独立リーグへ進み、ドラフトで指名される選手もいる。
指名漏れから成功した代表例・度会隆輝
指名漏れ後の再挑戦を考えるうえで参考になるのが、度会隆輝だ。
度会は横浜高校時代にドラフト指名漏れを経験。その後、ENEOSで社会人野球に取り組み、実力を高めた。
2023年のドラフトでは横浜DeNAベイスターズから1位指名を受けた。
この事例は、最初のドラフトで指名されなかった選手にも、次のチャンスがあることを示している。
ただし、再挑戦すれば必ず指名されるわけではない。所属先での成績、ポジション、身体能力、継続的な成長が問われる。
【プロの結論】2023年指名漏れ組を評価するための3つの視点
2023年のドラフト指名漏れ選手を2026年時点で評価するとき、重要なのは指名当日の印象だけで判断しないことだ。
1.現在の所属先と競技実績を確認する
真鍋慧は大商大でベストナインを獲得し、熊田任洋は社会人日本代表としてアジア競技大会で銀メダルを獲得した。
このように、指名漏れ後の実績は選手ごとに大きく異なる。
過去の高校通算本塁打や最速球速だけではなく、現在の所属チームで何を達成しているかを見る必要がある。
2.成績は単年度だけで判断しない
森田大翔は2025年に打率.396を記録した一方、2026年は打率.186となっている。
仁田陽翔も2026年は登板数や投球回を増やしたが、防御率は5点台だった。
成績には好不調があり、単年度の数字だけで選手の将来性を決めることはできない。
複数年の推移、出場機会、対戦相手のレベルなどを合わせて見ることが大切だ。
3.次回ドラフトへの準備状況を確認する
2026年現在、大学3年生の真鍋、東恩納、仁田、森田には、2027年に大学卒業時のドラフトを迎える可能性がある。
一方、社会人野球でプレーする熊田、蒔田、有馬は、別の競争環境で評価を高めている。
選手ごとに年齢や所属先、ドラフト対象となるタイミングが異なるため、同じ基準で比較するのは適切ではない。
【ドラフト2023の指名漏れ】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:2023年ドラフトで指名漏れした真鍋慧は現在どこにいますか?
A1:2026年現在、真鍋慧は大阪商業大学の3年生としてプレーしています。2026年秋季関西六大学野球では打率.395、2本塁打を記録し、一塁手部門のベストナインに選ばれました。
Q2:東恩納蒼は中央大学に進学したのですか?
A2:はい。沖縄尚学高校で活躍した東恩納蒼は中央大学に進学しました。2026年も中央大学の投手としてプレーし、リーグ戦で登板を重ねています。
Q3:ドラフトで指名漏れした選手が後からプロ入りすることは可能ですか?
A3:可能です。大学進学後の再挑戦、社会人野球からの再挑戦、独立リーグを経由する方法などがあります。度会隆輝のように、高校時代の指名漏れを経て社会人野球で実績を積み、NPBドラフト1位で指名された選手もいます。
まとめ:2023年ドラフト指名漏れは選手たちの新たな出発点だった
2023年のプロ野球ドラフト会議では、支配下72人、育成50人の計122人が指名された。その一方で、真鍋慧、東恩納蒼、熊田任洋、仁田陽翔、森田大翔、蒔田稔、有馬諒ら、実績を持つ選手たちが指名漏れを経験した。
しかし、2026年現在の姿を見ると、それぞれが異なる環境で野球を続け、成長の機会をつかんでいる。
特に真鍋慧は大阪商業大学で複数のベストナインを獲得。東恩納蒼は中央大学で投球経験を積み、熊田任洋はトヨタ自動車から日本代表としてアジア競技大会に出場した。
仁田陽翔や森田大翔も大学野球で次のステップを目指している。
ドラフト指名漏れは、その時点でNPB球団から指名されなかったという事実であり、野球選手としての可能性が失われたことを意味しない。
2027年以降のドラフトで再挑戦する選手、社会人野球でさらなる実績を積む選手など、2023年組の動向は今後も注目される。
一度の指名結果だけでは測れない選手の成長。その軌跡こそ、ドラフト指名漏れを追い続ける大きな理由となっている。
主な事実確認資料: 日本高等学校野球連盟、NPBドラフト指名結果集計、日刊スポーツ、Full-Count、スポニチ、関西六大学野球連盟、侍ジャパン公式情報、JOC、OmyuTech。