女子バレーボール監督の歴代と2026年最新体制|アクバシュの戦術・成績・評価を徹底解説

目次

2026年11月現在、女子日本代表を率いるのは、トルコ出身のフェルハト・アクバシュ監督だ。2025年に女子日本代表史上初の外国人監督として就任し、2028年ロサンゼルス五輪でのメダル獲得を目標にチーム強化を進めている。

2026年シーズンの女子日本代表は、バレーボールネーションズリーグで7位、女子アジア選手権で3位、愛知・名古屋2026アジア競技大会で準優勝という成績を残した。一定の成果を挙げた一方、アジア選手権では五輪出場権を逃し、タイとの実力差やプレッシャーへの対応など、新たな課題も浮き彫りになった。

📌 【この記事の重要ポイントまとめ】

  • 2026年の監督:トルコ出身のフェルハト・アクバシュ氏。女子日本代表史上初の外国人監督。
  • 歴代監督:大松博文、山田重雄、小島孝治、柳本晶一、眞鍋政義、中田久美らが日本女子バレーの歴史を築いてきた。
  • 2026年の成績:VNL7位、女子アジア選手権3位、愛知・名古屋アジア大会銀メダル。
  • 最大の課題:ブロック、切り返しからの攻撃、プレッシャーへの対応力。
  • 今後の目標:2027年女子ワールドカップを経て、2028年ロサンゼルス五輪でメダルを狙う。

【女子バレーボール監督とは?】選考基準・役割・求められる能力

女子バレーボール監督

女子バレーボール監督は、単に試合中に選手へ指示を出す人物ではない。日本代表の強化方針を具体化し、選手選考、戦術構築、練習計画、試合中の采配、スタッフとの連携までを統括するチームの最高責任者だ。

監督が担う5つの重要な仕事

1. 代表選手の選考と育成

国内リーグや海外リーグでプレーする選手の実績、技術、身体能力、コンディションなどを総合的に評価する。現在の実力だけでなく、2028年五輪を見据えた若手選手の育成も欠かせない。

2. チーム戦術の構築

サーブ、レシーブ、ブロック、スパイク、トスの組み合わせを設計する。日本代表の場合、世界の強豪国と比較して身長面で不利になる場面もあるため、守備の連動性や攻撃の多様性が大きな意味を持つ。

3. 試合中の采配

相手の攻撃パターンを読み、選手交代、タイムアウト、サーブの狙いどころ、ブロック位置などを調整する。1点の重みが大きい国際大会では、監督の判断が試合の流れを変えることもある。

4. 選手のコンディションとメンタル管理

代表活動は、国内リーグや海外クラブでの活動と並行する場合がある。疲労や負傷を管理しながら、長期間にわたって選手のパフォーマンスを維持する能力が必要だ。

5. スタッフと強化組織の統括

コーチ、アナリスト、トレーナー、ドクター、フィジカル担当者などと情報を共有し、科学的なトレーニング体制を構築する。現代の代表チームでは、監督個人の経験だけでなく、組織全体の分析力も勝敗を左右する。

外国人監督を起用した理由

日本バレーボール協会は2025年2月21日、女子日本代表の新監督としてフェルハト・アクバシュ氏の就任内定を発表した。選考にあたっては監督候補者選考委員会が設置され、ロサンゼルス五輪を目指すチームづくりが検討された。

当時の川合俊一会長は、世界を知り、世界に通じるチームをつくれることを選考基準の一つとして説明している。

海外の強豪国やクラブでの指導経験に加え、2017~2018年に日本代表コーチを務めた実績があることも、アクバシュ氏の起用を後押しした要素だ。

つまり、外国人監督の起用は単なる話題づくりではない。日本の従来の強みを生かしながら、世界基準の戦術や指導方法を取り入れるための強化策だった。日本バレーボール協会の2025年2月の発表と就任会見で、その方向性が示されている。

【女子日本代表の歴代監督一覧】大松博文からアクバシュまでの系譜

女子日本代表の歴代監督を振り返ると、日本バレーの強さは一人の名将だけで築かれたものではないことが分かる。

1964年東京五輪の金メダルを支えた大松博文監督、1970年代の黄金時代を築いた山田重雄監督、2000年代以降の代表を再建した柳本晶一監督、ロンドン五輪で銅メダルを獲得した眞鍋政義監督など、時代ごとに異なる指導者がチームを率いてきた。

歴代監督と主な在任期間

時代 監督名・主な在任期間 主な実績・特徴
1960年代 前田豊(1960年、1967年)、大松博文(1961~1964年)、船山浩志(1966~1967年)、山田重雄(1967~1968年) 東京五輪金メダルにつながる日本女子バレーの黄金期を形成。
1970~1980年代 小島孝治(1970~1972年、1978~1982年、1985~1986年、1995年)、船山浩志(1973年)、山田重雄(1973~1978年、1988年)、生沼スミエ(1982年)、米田一典(1983~1984年、1990~1993年)、岩本洋(1987年)、宗内徳行(1989年) ミュンヘン五輪銀メダル、モントリオール五輪金メダル、ロサンゼルス五輪銅メダルなどを経験。
1990年代~2002年 横田忠義(1994年)、小島孝治(1995年)、吉田国昭(1996年)、葛和伸元(1997~2000年)、吉川正博(2001~2002年) 世代交代と国際競争力の再構築が課題となった時代。
2003~2024年 柳本晶一(2003~2008年)、眞鍋政義(2009~2016年)、中田久美(2017~2021年)、眞鍋政義(2021~2024年) 北京五輪、ロンドン五輪銅メダル、東京五輪、パリ五輪などを経験。
2025年~ フェルハト・アクバシュ 女子日本代表史上初の外国人監督。ロサンゼルス五輪を目標にチームを強化。

※在任期間は公開されている歴代監督資料を基にした主な就任年の整理。複数回就任した監督は再任期間も記載している。

日本女子バレーの歴史を変えた代表的な監督

大松博文監督:1964年東京五輪の金メダル

日本女子バレーの歴史を語るうえで欠かせないのが大松博文監督だ。「東洋の魔女」と呼ばれたチームを率い、1962年世界選手権優勝、1964年東京五輪金メダルという歴史的な成果を残した。

徹底した練習と組織的なプレーによって、日本女子バレーの国際的な評価を高めた指導者である。

山田重雄監督:1970年代の黄金時代

山田重雄監督は、1974年世界選手権、1976年モントリオール五輪、1977年ワールドカップでの優勝につながるチームづくりに貢献した。

大松時代に続く日本女子バレーの強さを国際舞台で示した人物として知られる。

柳本晶一監督:2000年代の代表再建

2003年から2008年まで代表を率いた柳本晶一監督は、アテネ五輪と北京五輪への出場を実現した。世界の強豪国との競争が激しくなるなか、日本代表の再建に取り組んだ。

眞鍋政義監督:ロンドン五輪銅メダル

眞鍋政義監督は2009年から2016年までの第1期に、2010年世界選手権銅メダル、2012年ロンドン五輪銅メダルを獲得した。

2021年に再び監督へ就任し、2024年パリ五輪までチームを指揮した。パリ五輪ではメダル獲得に届かず、1次リーグ敗退という結果を受けて退任した。

中田久美監督:女性監督による代表強化

2017年から2021年まで指揮を執った中田久美監督は、選手時代から日本代表を支えてきた経験を持つ指導者だ。東京五輪を見据えたチームづくりを担当した。

こうした歴代監督の積み重ねが、現在の女子日本代表の戦術や育成方針の土台になっている。日本バレーボール協会の小島孝治氏に関する公式追悼資料や、歴代監督の公開年表にも、各時代の指導者の歩みが記録されている。

【アクバシュ監督の経歴】トルコ出身の指導者が日本代表に選ばれた理由

フェルハト・アクバシュ監督は1986年4月15日生まれのトルコ出身の指導者だ。選手としての経験を持ち、2004年から指導者としてのキャリアをスタートさせた。

特徴は、トルコ、ルーマニア、ポーランド、中国、日本など、複数の国のクラブや代表チームで指導経験を積んでいることだ。

指導者としての主な経歴

2004年:指導者としてのキャリアを開始

ガラタサライでバレーボールの統計・分析担当として指導者の道に入り、その後、トルコのテュルク・テレコム・アンカラでも経験を積んだ。

2011年:中国の広東恒大でコーチを担当

中国のクラブチームでアシスタントコーチを務め、国際的な指導経験を広げた。

2012~2015年:トルコのワクフバンクで活動

強豪クラブのワクフバンクで指導に携わり、国内リーグや欧州大会での実績を重ねた。

2015~2016年:トルコ女子代表を指揮

トルコ女子代表の監督を務め、ヨーロッパ競技大会優勝などに貢献した。若い時期から代表チームを率いた経験は、現在の日本代表指導にもつながっている。

2017~2018年:日本女子代表のコーチに就任

中田久美監督のもとで日本女子代表のコーチを務めた。2017年アジア選手権では日本の優勝に貢献している。

2017~2021年:欧州クラブで指導

ルーマニアのCSMブカレスト、ポーランドのケミック・ポリツェなどで指導経験を積み、複数の国内タイトル獲得に関わった。

2021~2025年:エジザジュバシュの監督

トルコの強豪エジザジュバシュ・ダイナビットで監督を務めた。2022年CEVカップ優勝、2023年FIVB女子クラブ世界選手権優勝、2023年CEVチャンピオンズリーグ準優勝などの実績を残している。

2025年3月には日本代表監督就任に伴い、クラブとの契約を双方合意のうえで終了した。クラブの公式発表でも、日本女子代表史上初の外国人監督としての就任が紹介されている。

なぜアクバシュ監督が選ばれたのか

注目すべきなのは、アクバシュ監督が日本のバレーボールを初めて学ぶ人物ではないという点だ。

2017~2018年に日本代表コーチとして活動しており、日本人選手の技術的な特徴や国内バレーの育成環境を理解している。そのうえで、トルコや欧州のトップクラブで培った戦術的な知識を持ち込める。

外国人指導者を採用する場合、言語や文化の違いが障壁になることもある。しかし、日本代表での過去の経験があるアクバシュ監督には、海外の指導方法と日本の伝統をつなぐ役割が期待された。

2025年3月の就任会見では、日本国内リーグも継続的に分析していることを明かし、基礎、戦術的規律、メンタル、意欲を備えたチームづくりを目指す考えを示していた。

こうした経歴は、単に外国人監督という肩書だけでは測れない強みだ。日本を知る国際派指導者という点が、選考における大きな特徴だった。

【アクバシュ監督の戦術・采配】守備と攻撃をどう変えたのか

アクバシュ監督の戦術を理解するうえで重要なのが、守備を受け身のプレーとして扱わず、次の攻撃につなげる積極的なプレーとして位置づけている点だ。

日本代表は世界の強豪国と比較すると、平均身長やアタッカーの高さで不利になることがある。そのため、単純に高さで対抗するのではなく、サーブ、ブロック、レシーブ、切り返しを組み合わせた総合力が必要になる。

1. サーブで相手の攻撃を崩す

サーブは単に相手コートへボールを返すプレーではない。相手のレシーブを崩し、攻撃の選択肢を減らすための重要な戦術だ。

アクバシュ監督のチームづくりでは、サーブから主導権を握ることが重視されている。相手セッターが十分に動けない状況をつくれば、日本のブロックや守備陣形も組み立てやすくなる。

2. ブロックとレシーブを連動させる

アクバシュ監督が強調しているのが、守備のファーストタッチだ。

ブロックで直接得点できなくても、相手のスパイクに触れて威力を弱めれば、後衛のレシーブにつなげられる。ボールを完全に止めることだけがブロックの役割ではない。

2026年のアジア選手権前の取材では、相手のスパイクに対してノータッチで落とす本数を抑えるという具体的な守備目標も説明していた。

日本の持ち味である粘り強いレシーブを、ブロックとの連動によってさらに生かそうとする考え方だ。

3. 強いアタックで攻撃の主導権を握る

守備を重視する一方で、アクバシュ監督は攻撃面でも積極性を求めている。

2025年のネーションズリーグでは、石川真佑を中心にサーブで相手を崩し、攻撃でも積極的に勝負するスタイルが見られた。守って拾うだけでなく、自分たちから攻め続ける姿勢がチームに浸透していった。

2026年はさらにブロック強化をテーマに掲げた。前年にアタックの改善に取り組んだうえで、次の段階として守備の質を高めようとする強化方針だ。

4. 2026年に見えた戦術的な弱点

一方、攻撃と守備の両面で改善の余地は残った。

特に女子アジア選手権のタイ戦では、相手の速いコンビネーション攻撃に対する対応が遅れた。ブロックとレシーブの連動が崩れると、日本の守備力だけでは相手の攻撃を抑えきれない場面が生じる。

また、ブロックで相手の攻撃を弱めた後、守備から攻撃へ切り替える場面でも課題が見られた。

これは、単純にレシーブ力を高めれば解決する問題ではない。ブロックの位置取り、後衛の守備範囲、セッターの判断、アタッカーの準備が一体となって初めて改善できる問題だ。

2026年6月の月刊バレーボールの取材でも、アクバシュ監督はブロックを改善テーマに掲げていた。攻撃力の向上から守備システムの完成へと、強化の重点が移っていることが分かる。

【女子日本代表の2026年成績】VNL・アジア選手権・アジア大会を検証

2026年の女子日本代表を評価するには、3つの主要大会を分けて見る必要がある。ネーションズリーグでは決勝ラウンドに進出し、アジア選手権では銅メダル、愛知・名古屋アジア大会では銀メダルを獲得した。

バレーボールネーションズリーグ2026:最終7位

2026年のVNLで、日本は予選ラウンドを勝ち抜き、ファイナルラウンドに進出した。

しかし、7月22日の準々決勝でブラジルと対戦し、セットカウント1対3で敗退した。最終順位は7位だった。

世界の強豪国が集まる大会で決勝ラウンドに進んだことは評価できる。一方、準々決勝でブラジルに敗れたことは、メダルを狙うチームにとって攻撃力と試合運びの両面で課題を残した。

2026年女子アジア選手権:日本は3位

2026年8月21日から30日にかけて中国・天津で開催された女子アジア選手権は、日本にとって特に重要な大会だった。

この大会の優勝チームには、2028年ロサンゼルス五輪の出場権が与えられていたためだ。

日本は予選ラウンドで香港、韓国、ベトナムに勝利。準々決勝でもチャイニーズタイペイを3対0で下した。

しかし、8月29日の準決勝でタイに1対3で敗戦。翌日の3位決定戦ではイランを3対0で破り、銅メダルを獲得した。

大会の優勝はタイ、準優勝は中国、日本は3位だった。タイが大会2連覇を達成し、ロサンゼルス五輪の出場権を獲得したため、日本はこの大会での五輪切符獲得を逃した。

ただし、日本はアジア選手権の上位3チームに入り、2027年女子ワールドカップへの出場権を確保している。

愛知・名古屋2026アジア競技大会:銀メダル

2026年9月に開催された第20回アジア競技大会では、日本女子代表は決勝に進出した。

決勝の相手は中国。9月22日の試合では、19対25、20対25、23対25と3セットを連取され、セットカウント0対3で敗れた。

最終順位は中国が1位、日本が2位、タイが3位。日本は銀メダルを獲得した。

アジア選手権ではタイに敗れ、アジア大会では中国に敗れたという結果は、現在のアジア女子バレーにおける勢力図を示している。日本がアジアの頂点に戻るためには、強豪国との接戦を勝ち切る力が必要だ。

2026年主要大会の成績まとめ

  • バレーボールネーションズリーグ:7位。ファイナルラウンド進出、準々決勝でブラジルに敗退。
  • 2026年女子アジア選手権:3位。準決勝でタイに敗れ、3位決定戦でイランに勝利。
  • 愛知・名古屋2026アジア競技大会:2位。決勝で中国に敗れ、銀メダル。

以上の結果は、日本バレーボール協会の2026年大会結果と各大会の公式記録に基づく。VNLでは世界トップレベルとの競争力を示し、アジア大会でも決勝進出を果たした一方、アジア選手権では五輪出場権を獲得できなかったことが、シーズンの大きな分岐点となった。

【アクバシュ監督の評判・評価】2026年の成果と批判的に見るべき課題

アクバシュ監督に対する評価は、外国人監督という新しさだけで決めるべきではない。実際の試合結果、戦術の浸透度、選手の成長、強豪国との対戦内容を総合的に見る必要がある。

評価できるポイント

海外での豊富な指導経験

トルコや欧州の強豪クラブで実績を積み、クラブ世界選手権優勝も経験している。国際大会の戦術や選手の特徴を理解していることは、代表チームにとって大きな強みだ。

日本のバレーを理解している

2017~2018年に日本代表コーチを経験しているため、日本の選手や競技環境について一定の理解がある。外国人監督でありながら、日本の伝統的な守備力を生かした戦術を構築している点も特徴だ。

課題を具体的に分析している

2026年シーズンの総括では、改善点を精神面と技術面の両方から整理した。結果だけを評価するのではなく、敗戦から次の強化テーマを導き出している。

厳しく評価すべきポイント

主要大会で優勝できていない

2026年はVNL7位、アジア選手権3位、アジア大会2位だった。安定して上位に入っているものの、アジア選手権では優勝を逃し、ロサンゼルス五輪への直接出場権も獲得できなかった。

タイや中国への対応力

アジア選手権のタイ戦では、速いコンビネーション攻撃への対応が遅れた。アジア大会の中国戦でもストレート負けを喫している。

高さやパワーで勝る相手に対して、守備の連動性をどこまで高められるかが今後の焦点になる。

大事な試合での精神的な強さ

接戦や決勝など、プレッシャーの大きな試合で普段の力を発揮できるかも課題だ。技術的な完成度が高くても、勝負どころでミスが続けば世界の頂点には届かない。

2026年10月20日、監督自身が明かしたシーズンの総括

日本バレーボール協会は2026年10月20日、男女日本代表などのシーズン総括会見を実施した。

アクバシュ監督は、VNLではファイナルラウンドに進出した一方、アジア選手権ではチームが掲げた主要目標を達成できなかったと振り返った。

そのうえで、今シーズンを通して個人とチームの強化ポイントが明確になったと説明している。

監督が課題として挙げたのは「メンタルアプローチ」と「切り返しからのアタック」だった。

特にタイとの試合では、速いコンビネーション攻撃に対して十分な対応策を講じられなかったことを課題として挙げている。

この総括は、2026年シーズンの評価を考えるうえで重要だ。監督自身が改善すべき点を認識していることは、2027年以降の強化計画を判断する材料になる。

評価を急ぐよりも、こうした改善テーマが次の大会で実際の勝率や試合内容に反映されるかを確認する必要がある。

【ロサンゼルス五輪2028への展望】女子日本代表が乗り越えるべき壁

アクバシュ監督の最大の目標は、2028年ロサンゼルス五輪で日本女子代表をメダル争いに復帰させることだ。

ただし、2026年11月時点で日本は五輪出場権を獲得していない。今後の国際大会で結果を残し、出場枠を勝ち取る必要がある。

ロサンゼルス五輪の出場枠は12チーム

国際バレーボール連盟(FIVB)が公表した出場国決定方式では、女子バレーボールのロサンゼルス五輪出場枠は12チームとなっている。

  • 開催国枠:アメリカに1枠。
  • 大陸選手権:2026年の各大陸選手権優勝チームに5枠。
  • 2027年ワールドカップ:すでに出場権を得ているチームを除く上位3チームに3枠。
  • FIVB世界ランキング:2028年VNL予選ラウンド終了時点で、未出場権獲得チームの上位3チームに3枠。

2026年の大陸選手権を経て、女子ではアメリカ、ブラジル、カナダ、エジプト、タイ、トルコが五輪出場を決めている。日本はアジア選手権で3位だったため、このルートでは出場権を獲得できなかった。

次の大きな勝負は2027年女子ワールドカップ

日本代表にとって重要なのが、2027年8月20日から9月5日までアメリカとカナダで開催される女子ワールドカップだ。

2026年のアジア選手権で3位に入った日本は、すでに大会出場権を確保している。FIVBは2026年10月、2027年大会に参加する32チームを発表しており、日本も出場国に含まれている。

この大会では、すでにロサンゼルス五輪の出場権を獲得したチームを除く上位3チームに五輪出場権が与えられる。

つまり、日本にとって2027年ワールドカップは、単なる世界大会ではない。ロサンゼルス五輪への出場権を獲得する重要な機会になる。

日本代表が強化すべき4つのポイント

1. ブロックの完成度を高める

日本の身長面の不利を完全になくすことは難しい。しかし、相手の攻撃コースを限定し、ブロックとレシーブを連動させれば、強豪国に対抗する可能性を高められる。

2. 攻撃の選択肢を増やす

石川真佑、佐藤淑乃、和田由紀子ら攻撃陣の特徴を生かし、相手のブロックを分散させることが必要だ。バックアタックやミドルブロッカーを組み合わせた攻撃の多様化も重要になる。

3. 試合中の修正能力を高める

タイや中国のように攻撃のテンポを変えてくる相手に対して、セット間や試合中に戦術を修正できるかが問われる。監督の分析力だけでなく、選手自身がコート上で判断する力も必要だ。

4. プレッシャーに負けないチームをつくる

五輪出場権を争う大会では、普段以上の緊張が生まれる。接戦でのサーブミスや攻撃ミスを減らし、重要な場面で攻め切る精神力を養うことが求められる。

【プロの結論】監督の評価は勝敗だけでなく強化の進捗で判断する

アクバシュ監督の2026年シーズンを一言で評価するなら、世界との競争力を維持しながら、次の成長段階に向けた課題が明確になった一年だった。

VNLでファイナルラウンドに進出し、アジア選手権で銅メダル、アジア大会で銀メダルを獲得したことは、チームが一定の実力を持っている証拠だ。

しかし、日本代表が目指しているのは、アジアで安定して上位に入ることだけではない。世界選手権や五輪で優勝を争えるチームへの成長である。

そのため、監督の評価では次の3点を追うべきだ。

  • タイや中国などの強豪国に対して、守備と攻撃の修正が進んでいるか。
  • 若手選手が成長し、特定の選手に依存しない攻撃陣を構築できているか。
  • 2027年ワールドカップで、五輪出場権を獲得できる競争力を示せるか。

外国人監督という肩書や海外での優勝実績だけで、アクバシュ監督の成功を判断するのは早い。日本の選手が持つ技術や組織力を世界基準の戦術と融合させ、実際の国際大会で結果につなげられるかが本当の評価基準になる。

【女子バレーボール監督に関するよくある質問(FAQ)】

Q1:2026年現在の女子日本代表監督は誰ですか?

A1:フェルハト・アクバシュ監督です。トルコ出身で、2025年に女子日本代表史上初の外国人監督として就任しました。

Q2:女子日本代表の歴代監督で有名なのは誰ですか?

A2:大松博文、山田重雄、小島孝治、柳本晶一、眞鍋政義、中田久美などです。東京五輪やモントリオール五輪の金メダル、ロンドン五輪の銅メダルなど、各時代の成果を支えてきました。

Q3:アクバシュ監督の出身国はどこですか?

A3:トルコです。トルコ女子代表や欧州の強豪クラブで監督・コーチを務めた経験があり、2017~2018年には日本女子代表のコーチも務めました。

Q4:アクバシュ監督の戦術的な特徴は何ですか?

A4:サーブで相手を崩し、ブロックとレシーブを連動させ、守備から攻撃につなげるスタイルです。強いアタックで積極的に得点を狙うことも重視しています。

Q5:女子日本代表の2026年の成績はどうでしたか?

A5:VNL7位、女子アジア選手権3位、愛知・名古屋2026アジア競技大会2位です。VNLでは決勝ラウンドに進出し、アジア大会では銀メダルを獲得しました。

Q6:日本女子代表はロサンゼルス五輪の出場権を獲得していますか?

A6:2026年11月時点では、まだ獲得していません。2027年女子ワールドカップで未出場権獲得チームの上位3チームに入ることや、2028年の世界ランキングによる出場枠獲得が主なルートです。

Q7:外国人監督を起用したのはなぜですか?

A7:世界を知り、世界に通用するチームをつくるためです。アクバシュ監督は欧州の強豪クラブでの実績に加え、日本代表のコーチ経験も持っており、日本の伝統と海外の戦術を融合させる役割が期待されています。

まとめ:女子バレーボール監督の歴史と2028年への期待

女子日本代表は、大松博文、山田重雄、小島孝治、柳本晶一、眞鍋政義、中田久美ら多くの指導者によって歴史を築いてきた。

2025年に就任したフェルハト・アクバシュ監督は、初の外国人指揮官として、その伝統を引き継ぎながら新しい強化方針を進めている。

2026年はVNL7位、女子アジア選手権3位、アジア大会銀メダルという結果を残した。一定の成果はあるものの、アジア選手権で五輪出場権を逃し、タイや中国との対戦で課題も明らかになった。

2027年女子ワールドカップは、ロサンゼルス五輪出場権を獲得するための重要な舞台となる。ブロックの強化、攻撃の多様化、試合中の修正能力、精神面の成長が今後の焦点だ。

歴代監督が積み上げてきた日本女子バレーの守備力と組織力を、アクバシュ監督がどこまで世界基準の攻撃力と融合させられるか。2028年ロサンゼルス五輪に向けた女子日本代表の挑戦は、2027年の戦いによって大きく方向づけられる。