【左太もも裏の肉離れ】2026年7月の離脱と約2カ月の復帰過程
両股関節の手術から復帰した吉川にとって、2026年シーズン最大の誤算の一つが、7月に発生した左太もも裏の肉離れだった。
7月21日の広島戦でアクシデント

2026年7月21日、東京ドームで行われた広島戦。
吉川は4回1死二塁から二塁への内野安打を放ったが、一塁を駆け抜けた直後に左足のハムストリングに張りを感じ、途中交代した。
翌22日、都内の病院で検査を受けた結果、左太もも裏の肉離れと診断され、出場選手登録を抹消された。
本人は試合後、左足のハムストリングに張りを感じたことを説明していた。
この時点で、吉川は股関節手術からの復帰後、ようやく1軍でのプレーを積み重ね始めていた。再び故障によって離脱したことは、本人にとっても球団にとっても痛手だった。
6月の2軍再調整から7月の再昇格、そして再離脱
2026年の吉川は、実は7月の肉離れ以前にも1軍を離れている。
6月15日、打撃不振などを背景に出場選手登録を抹消された。この時点では36試合に出場し、打率.215、1本塁打、5打点だった。
ファームでは18試合に出場して打率.314、OPS.799を記録。調整を続けた結果、7月17日に約1カ月ぶりの1軍再合流を果たした。
7月19日の中日戦では猛打賞を記録し、復調の兆しを見せていた。しかし、7月21日の広島戦で負傷し、わずか数試合で再び離脱することになった。
9月18日に1軍復帰
肉離れからの復帰には時間がかかった。
9月2日、吉川は3軍のソフトバンク戦で実戦復帰。負傷から43日ぶりの実戦だった。
その後、3軍、2軍で段階的に調整を続け、9月17日のファーム・リーグのオイシックス戦にも出場した。
そして9月18日、約2カ月ぶりに1軍へ復帰した。
復帰初戦は中日戦。「7番・二塁」で先発出場し、8回には犠打を成功させた。
この時期の巨人は阪神との優勝争いの終盤にあり、経験豊富な吉川の復帰はチームにとっても意味のある出来事だった。
本人は復帰に際して、次のように語っている。
「なんとか勝てるようにやっていけたらいい。(自分の)結果云々より勝つ」
個人成績よりチームの勝利を優先する姿勢には、選手会長としての立場も表れていた。
【2016年ドラフト1位から選手会長へ】吉川尚輝の経歴と巨人での役割
吉川は単なる守備の名手ではない。大学時代から高い打撃能力を示し、プロ入り後も長年にわたって巨人の二塁を支えてきた選手だ。
中京学院大学で評価を高め、2016年ドラフト1位で巨人入団
吉川尚輝は1995年2月8日生まれ、岐阜県出身。右投左打の内野手である。
高校は中京高校、中京学院大学へと進学した。
大学時代は打撃面でも実績を残し、首位打者を獲得。2016年の大学選手権では中京学院大学の初出場初優勝に貢献し、同年の日米大学野球選手権にも出場した。
その実績が評価され、2016年のプロ野球ドラフト会議で巨人から1位指名を受けた。
NPBのドラフト記録にも、巨人の1位指名選手として吉川の名前が掲載されている。
二塁のレギュラーとして成長したプロ生活
プロ入り後は故障や出場機会の変動も経験したが、2020年以降は二塁のレギュラーとして存在感を高めていった。
2022年と2023年にはそれぞれ132試合に出場。2024年にはついに全143試合出場を達成した。
2024年の実績は、吉川のキャリアを語るうえで外せない。
- 打率.287
- 154安打
- 5本塁打
- 46打点
- 12盗塁
- ベストナイン(二塁手)
- ゴールデングラブ賞(二塁手)
打撃と守備の両面で高い水準を示し、巨人のリーグ優勝にも貢献した。
特に二塁守備は、チームの内野陣を安定させる重要な要素だった。
2026年の成績だけを見ると苦しいシーズンだったが、2024年に残した実績は、吉川が本来どのような選手なのかを理解するうえで重要だ。
2026年から選手会長に就任
吉川は2025年12月3日の契約更改で、2026年シーズンから巨人の選手会長に就任することを明らかにした。
前任の大城卓三から役割を引き継ぎ、プレーだけでなくチーム全体をまとめる立場になった。
契約更改時には、選手会長としての決意を次のように語っている。
「プレーはもちろん、チームのこともしっかり考えながら来年はしっかりやっていきたい」
当時の報道によると、2025年の推定年俸は現状維持の2億円。すでに3年契約を結んでいたことも報じられている。
2026年は自身の故障と調整に時間を費やす一方、若手選手の台頭にも向き合う1年となった。
特に浦田俊輔は36盗塁を記録するなど、チームの新たな戦力として成長した。
10月のシーズン総括では、吉川自身も若手の成長を歓迎していた。
「そういう選手が増えてくることは、ジャイアンツが強くなるために絶対必要」
選手会長としてチームの将来を考えながら、自身も再び競争に加わらなければならない。これが現在の吉川に求められている役割だ。
【2026年クライマックスシリーズ】吉川尚輝が見せた復調の兆しと来季への展望
2026年のクライマックスシリーズは、吉川にとってレギュラーシーズンとは違う意味を持つ舞台となった。
約2カ月の離脱を経て9月に1軍へ戻り、シーズン終盤の戦いに参加。さらに10月のCSファーストステージでは、打撃面で好結果を残した。
CSでは打率.571、2試合で4安打
巨人は2026年10月10日から、東京ドームで横浜DeNAベイスターズとのCSファーストステージを戦った。
吉川は2試合に出場し、7打数4安打、2二塁打、打率.571を記録した。
NPBのCS個人成績でも、打率.571、長打率.857という数字が確認できる。
レギュラーシーズンで打率.241に終わった吉川が、短期決戦で4安打を放ったことは注目に値する。
ただし、チームは10月10日に1対2、11日に1対4で連敗。ファーストステージで敗退し、2026年シーズンを終えた。
吉川自身も、選手会長としてチームを勝利に導くことはできなかった。
シーズン終了後に語った率直な思い
10月11日のCS敗退後、吉川は今季を振り返った。
「大きい手術をして復帰できた。どうなるか分からないシーズンだったので、思うような結果は出なかったですけど、1軍の舞台で戦えたことは良かったシーズンだった」
さらに、来季への意欲については次のように語っている。
「来年しっかりやっていきたい」
そして、自身の体についても「まだまだ勝負できるように、体を整えていきたい」と前向きな姿勢を示した。
日刊スポーツの10月12日の報道では、本人が手術から復帰できたことへの安堵と、思うような結果を残せなかった悔しさの両方を語っている。
来季に向けた3つの課題
2027年シーズンに向けて、吉川が取り組むべき課題は大きく3つある。
1. 股関節と下半身のコンディション管理
最優先課題は、年間を通じて試合に出られる体を作ることだ。
2026年は股関節の手術から復帰した後、左太もも裏の肉離れでも長期離脱した。二塁手は守備範囲が広く、左右への動きや素早い切り返しが求められるため、下半身の状態を安定させることが欠かせない。
2024年の143試合出場を考えれば、吉川が年間を通じてプレーできることの価値は大きい。
2. 打率.270前後への回復と出塁率の改善
2025年の打率.277、2024年の打率.287は、吉川の打撃力を示す参考記録だ。
2026年の打率.241から復調するには、まずコンタクト能力を取り戻し、出塁率を高めることが重要になる。
長打を無理に増やすよりも、持ち味である安打を重ねる打撃と走塁を組み合わせる方が、吉川のプレースタイルに合っている。
3. 選手会長としてチームをまとめること
2026年は浦田俊輔ら若手の台頭が目立った。
吉川にとって、若手の成長はチームにとって歓迎すべきことだが、二塁のポジション争いという観点では競争の激化も意味する。
経験を生かして若手を支えるだけでなく、自ら結果を残してポジションを守る必要がある。
選手会長という責任と、レギュラー選手としての競争。この両方をどう両立するかが、2027年の吉川を評価するポイントになる。
【巨人・吉川尚輝に関するよくある質問(FAQ)】
Q1:吉川尚輝の2026年の成績は?
2026年のレギュラーシーズンは52試合に出場し、打率.241、1本塁打、11打点、6盗塁だった。出塁率は.304、OPSは.585。股関節手術からの復帰後、打撃不振と故障による離脱が重なった。
Q2:吉川尚輝は両股関節をなぜ手術した?
2025年10月に両側関節鏡視下股関節唇形成術を受けた。右股関節は10月20日、左股関節は10月27日に手術を実施。具体的な損傷原因や発症時期については、球団発表では詳しく説明されていない。
Q3:吉川尚輝はいつ1軍に復帰した?
2026年4月26日にDeNA戦で1軍復帰した。約5カ月のリハビリを経て、4月5日に3軍戦で実戦復帰し、ファームでの調整を経て1軍に合流した。
Q4:吉川尚輝の左太もも裏の肉離れはいつ発生した?
2026年7月21日の広島戦で発生した。翌22日に左太もも裏の肉離れと診断され、登録抹消。9月18日に約2カ月ぶりに1軍へ復帰した。
Q5:吉川尚輝の2025年の成績は?
107試合に出場し、打率.277、3本塁打、32打点、8盗塁を記録した。2026年と比べると、出場数、打率、本塁打、打点のすべてで上回っている。
Q6:吉川尚輝は選手会長を務めている?
2026年から巨人の選手会長に就任した。2025年12月の契約更改時に発表され、前任の大城卓三から役割を引き継いだ。
Q7:吉川尚輝は2024年にどんなタイトルを獲得した?
2024年にベストナインとゴールデングラブ賞を二塁手部門で受賞した。全143試合に出場し、打率.287、154安打、5本塁打、46打点を記録している。
Q8:吉川尚輝の2026年クライマックスシリーズの成績は?
2試合で7打数4安打、打率.571、2二塁打を記録した。巨人はDeNAに連敗してファーストステージで敗退した。
まとめ:吉川尚輝の復活は2027年の巨人にとって重要なテーマ
2026年の吉川尚輝は、両股関節の手術から復帰しながらも、打撃不振と左太もも裏の肉離れによって苦しいシーズンを送った。
レギュラーシーズンは52試合、打率.241、1本塁打、11打点、6盗塁。2024年のベストナイン・ゴールデングラブ賞受賞時や、2025年の打率.277と比較すると、数字の低下は明らかだ。
しかし、9月の1軍復帰後にはシーズン終盤の戦いに参加し、CSでは打率.571を記録した。手術後の長いリハビリを経て、再び一線でプレーできたことも2026年の大きな意味だった。
今後の評価で最も重要なのは、単年の打率や本塁打数だけではない。
- 股関節と太ももを含めた下半身の状態を安定させられるか
- 1年間を通じて二塁のレギュラーとして出場できるか
- 2024年、2025年に見せた打撃力を取り戻せるか
- 選手会長として若手とベテランをつなぐ存在になれるか
吉川本人はシーズン終了後、「来年しっかりやっていきたい」と再起を誓った。
2027年に向けて必要なのは、無理な早期復帰ではなく、年間を戦い抜くためのコンディション作りだ。
2024年に攻守両面で巨人を支えた二塁手が、再び本来の姿を取り戻せるのか。選手会長としての責任と、プロ野球選手としての競争。その両方に挑む吉川尚輝の次のシーズンは、巨人の内野陣を考えるうえでも大きな注目ポイントになる。